育児戦争/家政夫と一緒。~その8~
夏風邪
「大丈夫か? 凛」
「ねえさん⋯⋯」
「ふたりとも⋯⋯かぜうつっちゃうから。
はやくでていくの⋯⋯けほっけほ」
「まったく⋯⋯熱があっても強がりを言うとは」
「あーちゃーさん⋯⋯わたしねえさんのそばにいますから」
「⋯⋯ふむ。
ああ、凛。そういえば私が昨日だるそうにしていたのは覚えているかな?」
「けほっ⋯⋯なによ。そういえばそんなかんじだったきもするけど」
「不覚にも風邪を引いていたのだよ。
君が今かかっているものがそれだ」
「え⋯⋯じゃあこれ、あーちゃーにうつされたの!?」
「ああ、そうだ。
サーヴァントが不調では、いざというときに主人を守れまい?」
「ひ⋯⋯ひどいひどいっ。
そんなつかいまきいたことないもんっ⋯⋯うー⋯⋯。」
「故に、君が完全復調するまでは、責任を持って側にいよう。
なにしろ悪いのは私だからな」
「⋯⋯?
そ⋯⋯そんなのあたりまえなんだからっ。
なおったらおいしいケーキもたべさせてくれないとゆるさないっ」
「ああ、腕を振るうことを約束しよう。
私が悪いのだからな」
「そーよ⋯⋯あーちゃーがわるいんだから⋯⋯ぐすっ」
「あーちゃーさん⋯⋯えへへ」