皇帝龍 #FateStayNight
Fate/stay night二次創作作品「育児戦争/家政夫と一緒。」の第一部マガジンです。完結済み。 小さな遠坂姉妹と弓兵の出会い、彼らの一年を描いた場面が中心です。 *Fate/Zero以前の二次創作です。 *STparusu DIGITAL HOMEで連載した作品と基本同一作品であり、一部イラストや文章を修正/加筆したものです。
Fate/stay night二次創作作品「育児戦争/家政夫と一緒。」の第四部マガジン、最終章です。 *Fate/Zero以前の二次創作です。 *STparusu DIGITAL HOMEで連載した作品と基本同一作品であり、一部イラストや文章を修正/加筆したものです。
Fate/stay night二次創作作品「育児戦争/家政夫と一緒。」の第二部マガジンです。 ────そして始まる聖杯戦争。小さな遠坂姉妹と弓兵は否応なく戦いへと巻き込まれていきます。 *Fate/Zero以前の二次創作です。 *STparusu DIGITAL HOMEで連載した作品と基本同一作品であり、一部イラストや文章を修正/加筆したものです。
Fate/stay night二次創作作品「育児戦争/家政夫と一緒。」の第三部マガジンです。守るべき者の為に、守るべき場所の為に────さあ立ち上がれ。 *Fate/Zero以前の二次創作です。 *STparusu DIGITAL HOMEで連載した作品と基本同一作品であり、一部イラストや文章を修正/加筆したものです。
Fate/stay night二次創作作品「育児戦争/家政夫と一緒。」の有料マガジンです。 小さな遠坂姉妹と弓兵の一年を描いたコミックが中心です。 *「育児戦争/happy christmas」「育児戦争/4かんめ」、計56Pを掲載しています。 *有料マガジンです。 *Fate/Zero以前の二次創作です。
Last epilogue ────ドクン。 「⋯⋯あ」 「⋯⋯あっ」 感じる鼓動に慌てて目を覚ます。 体の中の生命力を殆ど持っていかれたような、強い虚脱感。 「ね、姉さん」 「⋯⋯うん」 無くなったのは魔力。桜も感じたという事は⋯⋯。 「大丈夫か!? 酷くうなされていたが」 「切嗣さん⋯⋯アーチャーが!」 「アーチャーさんが⋯⋯!」 「え、本当かい」 体の中にある明確なラインは、あの日々の中で確かにあった私たちとアーチャーを繋ぐ絆、そのもの。
epilogue6:君と行く、未来 ────強い風が吹きすさぶ七色の世界。 形在るものの生存を許さない巨大な暴風の中で、揺らぎもせず、屈する事も無く、ただ風の吹く場所を睨んで立つ影一つ。 「あ⋯⋯」 「あ⋯⋯」 私達は⋯⋯その後ろにいる。 命を奪うかのように吹く強い風は大きな体が全部受け止め、その猛威から私たちを守ってくれていた。 それに気付いた私と桜は、彼にお礼を言おうとその背中に近づいていく。 でも、あまりに風が強いからその場所まで近づくのはとっても
epilogue5:メグル 切嗣さんと一緒に教会堂へと戻った私達は儀式の終わりを待つために椅子に腰掛ける。 「ぐすっ⋯⋯」 「うう⋯⋯」 ハンカチで涙を拭う私たちを切嗣さんは優しい眼差しで見つめてる。それがちょっと恥ずかしくて、慌ててハンカチを閉じてポケットにしまう。 「も、もう大丈夫ですよっ。 ほら、桜も⋯⋯」 「うう⋯⋯私、お顔大丈夫ですか?」 「んー⋯⋯多分⋯⋯」 「ああ、大丈夫だ。僕が保障しよう」 にっこり笑って桜の頭を撫でる切嗣さん。 その仕
epilogue4:大丈夫 一騒動も収まってようやく走り出したベンツ。 「いやはや、済まなかったね」 「キリツグは悪く無いもん。悪いのはタイガ。 ライガに言いつけてお小遣い減らしてやるんだから!」 「あはは⋯⋯」「あははは⋯⋯」 恐縮する切嗣さんを前に苦笑いを浮かべる私と桜。 どうやら複雑な人間関係があるようなので口を挟まないでおく。 「それにしても⋯⋯ようやくか」 「⋯⋯はい」 「自分のほうで手一杯になってしまって、君たちに手を貸してあげられなかった、済
epilogue3:枝葉 キーンコーンカーンコーン⋯⋯⋯⋯。 終業のチャイムが鳴り響く。 一日の終わりを喜ぶ声が教室のそこかしこから聞こえ、これからの予定に賑わい始める。 「遠坂、もう帰るのか?」 「ん、ごめんね。今日は外せない用事があるの」 「ふーん⋯⋯。 そういえば朝今日は何かあるみたいな事言ってたねー?」 私の席にやって来た綾子は目ざとく予定を確かめに来る。 どうやらまだ憧れの彼がどうとかという話を引きずっているらしい。 「何よ美綴さん、妙に絡
epilogue2:騎士様 学校まで続く長い坂道。 坂の上には学校以外何もないところから、学生専用の通学路と化しているこの道なんだけど、私達の後ろ、坂の下から車が登ってくる音が響く。 周囲の学生達のどよめきを感じ振り向くと、そこには白銀の輝きを放つベンツェ・リムジン。 「Guten Morgen,リン、サクラ」 「⋯⋯おはよう」 「あ、おはようございます。イリヤちゃん!」 後部座席の窓が開き、まるで妖精のような美貌を持つ少女が顔を覗かせる。 イリヤスフィー
epilogue1:それから 『⋯⋯大丈夫。 苦しい事は全部引き受ける。だから、笑っていてくれ』 とっても綺麗な朝焼けの中、そう言って傷だらけのまま私たちを抱きしめる逞しい腕。 苦しい事なんて何も無いよ? 泣くような事も何も無いの。 全然平気なのに、そうやって私たちを抱きしめる彼の顔だけが⋯⋯とてもとても苦しそうで。 だから、笑っていてって言われたのに、私も桜も泣いてしまう。 そんな私たちを見ると彼はより一層苦しそうな顔になって、抱きしめる力を強くする。
奇跡の雪:後編 「あーちゃー⋯⋯あーちゃ~! わたしも⋯⋯だいすき!」 「ぐすっ⋯⋯わたしも⋯⋯っ、あーちゃーさんと⋯⋯ずっといっしょにいたいです!」 「⋯⋯⋯⋯ああ」 泥の奔流を弾く暖かい光の中、アーチャーは二人の思いを受け入れる。 ────願いも望みも、一人では叶わない。 その答えを掴んだはずだったのに、自分だけがその外にいた。 未来を望まない者に、人の幸せを願えるはずが無い。 手をとれない人間が、誰かを笑顔に出来るわけが無い。 無様でも愚かでも
奇跡の雪:前編 「あーちゃ~!」 「あーちゃーさぁぁん~!」 泥が生む瘴気の為に荒れ果てた丘の上を、幼子達は一生懸命走ってくる。 ずっと走り続けてきたのだろう。疲労に疲れた凛の足取りは危なっかしくてしょうがない。 「────────っ」 だが、アーチャーはあの時のように彼女達の傍へ跳んでいけない。 そんな事をすれば、彼女達は呪力流によって押しつぶされてしまうだろう。 「あーちゃー⋯⋯あっ!!」 石か何かに躓いたのか、勢いよく転ぶ凛。 丘に投げ出され
魂 ゴバアアアアッ────ギイインッ!! 黄金と暗黒がぶつかり合い深山の山々を明るく染める。 竜の口から放たれた呪力弾⋯⋯否、呪力流はちっぽけな人間など一瞬で滅ぼすはずだった。 ────だが。 「おおおおおっ!!」 黄金の光に包まれたアーチャーは呪力流を受けてなお健在であり、それどころか、竜の鼻先で放たれた呪力流を分解していた。 ────伝承に曰く、聖剣の鞘は主に降りかかるありとあらゆる脅威からその体を守り、一切の血を流させる事が無いという。 腕
激突 シャッ────ドシャアアンッ!! 放った剣が飛来する巨大呪力弾を迎撃する。 剣を受けて爆散し、飛び散る呪いが靄となり視界を悪化させていく中、高まる魔力の気配だけを頼りに待機させていた刀剣を射出する。 キュン────ガオオオンッ!! 着弾、爆発。 三本の剣が出かかりの呪力弾に着弾し、起こった爆風が靄を吹き飛ばす。 一瞬だけ開けた視界を縫うように敵の足に向かって放つ刀剣射撃。響く炸裂音と共に靄の闇の向こうから竜の絶叫が木霊する。 だが、敵の再生力
無限の剣製 張り出す枝も険しい谷も、アーチャーの進行を止められない。 霊体化し、風の様に山を駆けるアーチャーは、山腹を駆ける黒い竜に追いつき、攻撃を開始する。 「おおおおおっ!!!」 初弾、偽・螺旋剣による一撃が竜の足に直撃する。 だが、空間を捻じ曲げる螺旋の一撃でさえ竜の足を吹き飛ばすには至らない。引き裂けた泥の皮膚を繋ぎ合わせると、何事も無かったかのように再び走り出す竜。 「────ちっ!」 こうなればありったけの砲火を持って侵攻を邪魔するまでだ。
Last interlude2:もどってくるから ◇ ◇ ◇ ◇ 「────────」 眠っていたベッドの上で、凛は唐突に目を覚ました。 そのきっかけが何だったのかはわからないが、とにかく起きなければいけない。 そんな焦燥が胸を強く揺さぶり、早く動けと急き立てる。 体の調子は絶好調。これならどこにでも飛んでいけそう。 「う⋯⋯? ねーさん?」 隣で寝ていた桜も勢いよく起きた姉の気配に目を覚ましたのか眠い目をこすって起き出してくる。 「あ、あーち
Last interlude1:光 無限に生まれる呪いの泥が、流れに逆らい上流へと進む光の玉に殺到する。 だが、呪い如きが”この世ないもの(理想郷)”を如何にして滅ぼせよう。 アヴァロンは主の意を受け、泥の大河を進んでいく。 「⋯⋯⋯⋯」 しかし、鉄壁たる城砦の中、鞘(アヴァロン)の主たる剣の王は美しい眉根を寄せていた。 アヴァロンの力によって異なる次元(テクスチャ)にいる彼女は、泥の世界においてその導を見失いつつあった。 ────竜の体内を通り大聖杯
絶対者 ────キュン────ザガッ! 宙を走る無数の線が森の構造物を易々と切断する。 その攻撃を時に地形そのもので防ぎ、時に予備動作から見切って避けながら、アーチャーは構えた弓から魔弾を射撃する。 轟音を上げて竜の皮膚で炸裂する魔弾。 だが、炸裂した魔力爆発は黒い皮膚の表面を吹き飛ばすのみで、有効打にはなり得ない。 「ち⋯⋯」 攻撃による打倒が最終目的ではないとはいえ、こちらの攻撃によって全く疲弊しない竜との戦いは万全の魔力状態ではないアーチャーにと