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育児戦争/家政夫と一緒。~その39~
雨の日
────コンコン。
「⋯⋯ふぇ?
あ、ねーさん。どーしたんですか?
まどですよ、ここ」
「さくら、しーーーっ!
⋯⋯あーちゃーいないよね?
よいしょ」
「⋯⋯わ、ねーさんどろんこです!
ちょっとまっててください! たおるもってきますから!」
「あ、さくらっ!
⋯⋯あうー、はやくおふろばにいっておせんたくしなきゃ⋯⋯」
ガチャッ。
「桜、夕飯の支度を⋯⋯」
「あ」
「む?」
「わ、こ、これはちがうのっ!
おやまであそんでたらとつぜんあめふってきちゃって、いそいでかえろうとしたらおちばふんでころんじゃって!
お、おようふく⋯⋯けっしてよごそうとおもってよごしたわけじゃなくて⋯⋯っ!」
「⋯⋯フム。
なんだ、ずぶ濡れではないか。
そら、風呂を沸かしてやるからさっさと入って泥を落として来い」
「⋯⋯ふえ?」
ガチャッ!
「ねーさんたおるもってきましたよっ!
あ、あーちゃーさん」
「桜、風呂を沸かしてくるから凛の体を拭いてやっていてくれ」
「はぁい」
「あ⋯⋯ね、ねぇ!」
「⋯⋯ん? なんだ?」
「あの⋯⋯おこんないの?」
「⋯⋯?
なんだ? 怒られるような粗相をしたのかね?」
「だ、だって⋯⋯おようふくよごしちゃったし⋯⋯」
「⋯⋯ク。
先程君自身が言っていた事は嘘なのかね?」
「う、うそじゃないけど⋯⋯。
こんなにどろんこになっちゃったらしろいぶらうす、きれいにするのたいへんだよ?」
「大事な服だと言うのならきっちり元に戻して見せよう」
「あ、あう⋯⋯そーじゃなくてぇ」
「くすくす⋯⋯。
ほら、ねーさんかぜひいちゃいますから、おふろわかしてきてもらいましょ?」
「あ、うん⋯⋯。あ、あのあーちゃー」
「ん?」
「ごめんね、おようふくよごしちゃって」
「⋯⋯ク。
だから君は何も悪くないだろうに」
「うー⋯⋯なんとなくあやまりたかったのっ!」
「くすくす」