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【セカンドブライド】第2話 カエルさんからのファーストアプローチ

みんなで走ったその日から、彼は常に積極的で親切な態度だった。
そして頻繁に連絡が来る様になった。

ランニングクラブの練習会は、フルマラソンの会場となる公園で毎週土日に行われた。

芝生の広い広場の外周を抜け、市営の体育館や陸上競技場、プールの施設を見ながら走る外周約1.5㌔のコースだった。
そこをみんなでクルクル周回して走った。
いつも入れ代わり立ち代わり5名~10名の人が練習会に参加していた。

練習会に参加すれば子連れのメンバーとかわるがわる子供を見て交代で走ることが出来る。子供同士も仲良くなって芝生の上でボール投げや枝を拾ったりして遊んでいて楽しそうだったので、良い気晴らしになった。

雨が降っていなくて予定が無い限りはほぼ毎週練習会に通った。
そしてカエルさんもほぼ毎週参加していた。
走りながらメンバーともカエルさんとも色々な話をした。

 カエルさんの子どもは男の子が二人で中学校3年生と2年生だとか。
 仕事は運送系の会社を経営しているとか。
 プロレス観戦が好きだとか。
 映画を観るのが好きだとか。一番好きな映画は寅さんだとか。
 
練習会ごとに、カエルさんは営業先のお客さんにもらったからと言って大根をくれたり、木箱に入ったそうめんをくれたりした。息子が泡が出る入浴剤を入れてお風呂に入るのが好きだと言う話をすると、次の練習会の時にはバブの36個入りをわざわざホームセンターで買ってきて息子にくれた。

そして平日は不定期にメールが送られてきた。文章だけと言うよりは、写メがついていることが多かった。
それは、そばの花の畑だったり、筑波山だったり、昼間食べたアジフライ定食だったりと、当たり障りのない内容だった。

メールマガジンに登録している様な気持ちで、返信は返したり、返さなかったりした。
 
何となく彼の好意は感じていたけれど、
一方で、「田舎の人の親切」かも知れないとも思っていた。

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