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ほくりく本屋めし #1 コメリ書房穴水店と雁月のカキフライ定食(後編)/佐藤実紀代

心通う、カキフライ定食


取材の間、車の鍵を預けていたマネージャーのH氏に昼食の場所を伝えたところ、「そういえば、来る間に牡蠣小屋の看板をあまり見なかった気がする」と言う。

「あなみずスマイルマルシェ」のある海側の市街地へと移動中、たしかに牡蠣小屋の「オープン!」とか「営業中」といったのぼりなどがなく、ひっそりとしている様子だった。よくよく見ると、牡蠣小屋だと思われる、ある建物の屋根が落ちてペシャンコになっている。

私はその光景を目の当たりにし、ギュウと胸が締め付けられた。

何ができるかはわからない。とにかく、本を買って、牡蠣を食べて、誰かに伝えよう。そう思った。

この建物の中にブティックや美容室、布団屋などが軒を連ね、小さな商店街になっている

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