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ヒーロー好きな物書き。 全身全霊をかけて見事落ちてしまった小説たちをUPしていきます。たくさんあるのでご覧ください:-)

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最近の記事

【随時更新】アナタの知らないガチャガチャの世界#リング編

 ガチャガチャが好きだ。  なにがでるのかわからないワクドキ感がいい。  100円玉を確かめるように1枚ずつ入れて、ツマミをガチャガチャっと回す。カラコロと自分の元にカプセルがやってくる、あのワクドキ感がいい。  たいてい狙っていたモノはでてこないのでガッカリする。どれでもいいということはなく「2/7の確率でお目当てのモノがでる」という状況なので、仕方ないといえば仕方ないが。外した時もっとも大事なのは、そこで諦めるか、もう一度チャレンジするかだ。  今は1回300円が相

    • アナタの知らない映画チラシの世界#1

       高いアーティスティック性があり、頻繁に更新され、ほどよいサイズで、しかも無料で手に入るのもの──。  映画のチラシ(フライヤー)ほど心躍るものはない。映画館で映画を見ると、本編の前にずらずらと流れてくる予告編が好きなタチなのだが、その時は「おもしろそう」「絶対に見よう」などと思っても、いざ本編が始まるとそんなことは頭から吹き飛んでしまう。そして映画鑑賞後はアレが良かったコレが良かったと、余韻にどっぷり浸かっているのだ。  他の客と一緒にわらわらと、数時間の集中や興奮によ

      • ハッピーボックス

         ボクはテディベア。ふわふわのモヘアに、赤色のサテンリボンをつけたクマ。  親友はブリキのロボットくん。かくかくしたボディに、緑と青のガラスの目をしたロボットくん。クリスマス商品として作られて、頭にちょこんと乗ったパーティーハットが可愛らしい。電池を入れたら胸の電光パネルが起動するクールな仕掛けだ。話しかけたり、頭を撫でたりすると「GOOD」や「HUNGRY」、時には「BAD」の文字が表れて、自分の気持ちを伝えてくる。無口なように見えて案外おしゃべりさんだ。  ボクたちはオモ

        • 365歩

           俺の名前は城本ひろし。轟勇戦隊ファイヤーレンジャーのレッド、灼熱のリーダーだ。  一見どこにでもいる平凡な大学生だが、それは仮の姿。町に暗雲が立ちこめた時、スーパーヒーローへと変身して世のため人のために戦い抜く。  それが俺、城本ひろし。  だった。  ハローワークに通うのも飽き飽きし、息抜きのため公園へと足を運んだ。入口では、この町のマスコットキャラクターであるぺん太くんが風船を配っていた。ご苦労様、と思いながら素通りする。自動販売機でスポーツドリンクを買い求めてベンチ

          一杯の想い

           はじめての家庭科の調理実習は『お茶のいれ方』だった。  先生が用意した緑茶の葉をつかうか、家から好きな茶葉を持ってくるか。割合はだいたい半々くらいだったと覚えている。お茶を持参してきたクラスメートは緑茶か麦茶がほとんどを占めていて、調子にのった何人かはドリップコーヒーを持ち込んだ。  紅茶を持ってきたのは意外にも僕だけだった。  スーパーに売っているような紅茶ならまだしも、根っからの紅茶党の親にむりやり持たされたのは本格的なフレーバーティーだ。可愛らしくゴージャスな茶缶に、

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          永遠の春

           決起の時はきた。  付き合い始めて2年。彼女の誕生日も間近に控えているし、理想的なシチュエーションだ。それとなく指のサイズも聞いたので調査も万全。あとはジュエリーショップに行って、堂々と「これをください」と言えばいいだけだ。  そう決意していたが、いざショーケースを前にすると、きらびやかさに圧倒されてしまった。仕事終わりのよれたスーツで入っていい場所ではなかった。しかし彼女のためと、行儀よく並ぶジュエリーを吟味していく。  あれは違う。これは駄目。必死になって探していると、

          明日への跡

           重たい足どりで海岸を歩く。  仕事終わり、スーツ姿。革靴でのそのそと歩く。目撃者がいたら海に身投げでもするのかと疑われるかもしれないが、そんなことをするつもりはない。職場は山ほど仕事が残っているし、自宅は足の踏み場がないほど散らかっているのだから。  塩ソフトクリーム。  忙しさに翻弄されている時、ふっと頭に浮かんだその言葉。シオミズ公園という海水浴場の名物だ。通勤路にあるせいで素通りしてきたが、風になびくのぼり旗はいつも目に入っていた。毎日毎日、自宅と職場を往復するだけの

          明日への跡

          カミサマの一服

           この街にはカミサマがいるらしい。  実家でもある中林茶屋店の軒下にはカミサマにまつわる水鉢がある。腰をかけられるほどの水鉢は、石灯篭のようにも見える。鉢に水を満たしておけば厄災を逃れる、幸運が訪れる、などなど。そんなことを信じてありたがっているのは、祖父を筆頭にしたごく一部の人達だけだ。小学生だった頃、縁日でとった金魚を水鉢に入れようとしたら、信じられないほど祖父に怒鳴りつけられた。それ以来、水鉢には近寄らないようにしている。  触らぬ神には祟りがない。 「ありがとうござい

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