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「レッツゴー栃木」という祈り (ブレックスファン1年目を終えて)


 宇都宮ブレックスの2023-24シーズンが終わりました。
 大好きなチームに心からの感謝を伝えたいです。

 沖縄でのW杯で比江島選手を知り、所属チームが住んだことのある宇都宮だったことに縁を感じてブレックスファンになろうと決めて。あっという間のシーズンでした。そして、最高に楽しいシーズンでした。


 今、悔しくないと言ったら大きな嘘になる。ブレックスに優勝してほしかった。
 でも、わたしなりに1シーズン応援してみて、Bリーグってこういうものなんだとわかったというか。
 悔しさもひっくるめて、この8ヶ月間をブレックスと共に過ごせたことに感謝しています。


 まず、宇都宮ブレックスでプレーすることを選んでくれた選手たちに感謝したいです。

 人生の大半をプロ野球ファンだったから、毎年メンバーが入れ替わることが信じられなかった。選手が移籍するとなったとき耐えられるか自信がなかった。
 でも、1シーズン通して応援してきてわかったのは、これは一年ごとのプロジェクトなんだということ。
 宇都宮ブレックスというプロジェクト。どうやって優勝するのか。そのためにどう組織づくりをするか。

 佐々さんの選手への話を聞いて、はっとしたんです。
「去年CSに出られなかった悔しさを絶対忘れるなよ。DJは勝つためにここにきて、ギャビンもファイナルで負けたことが悔しくてここにきて」
 DJもギャビンも、改めて書くのが申し訳ないほどの素晴らしい選手です。その選手たちが2023-24シーズンに宇都宮ブレックスを選んでくれたこと。

 わたしがファンになろうと決めたときには今シーズンのブレックスは出来上がっていたから、今の14人がブレックスなんだと思ってしまったけど、今シーズンのブレックスが出来上がるまでの物語も存在するに決まっているのでした。

 野球と違って、バスケット選手は怪我が多い(怪我が多いことで有名なヤクルトファンなので感覚が麻痺していましたが)。選手生命も決して長くない。1シーズンの重みが野球とは違うような気がします。
 だからこそ、どこでシーズンを過ごすのかというのは非常に重要であるはずで。

 今の14人がブレックスの選手になると決めてくれなければ、きっと応援することはなかった。名前を叫ぶことはなかった。
 出会えたこと、応援できたことは奇跡だなって思います。

 ブレックスファンがかつて在籍していた選手たちへ惜しみない拍手を送るのは素晴らしい文化だなとは思いつつ、正直、理解できない気持ちもあったのです。
 だって今はライバルだし、「うちを捨てたのに?」っていう気持ちになるとも思った。野球で考えると、巨人に移籍したグライシンガーに拍手する気なんて到底起こらないもの(すみません、どうしてもヤクルトファンなので……)。

 でも、そうじゃないんだよね。
 一年ごとのプロジェクト。決して長くはない競技人生の中で、このチームで、ブレックスでプレーすることを選んでくれた。本当にありがたいことなんだってわかりました。
 そりゃあ拍手するよ。エドワード・モリスさんの島根での活躍も嬉しかったし、もしCSで島根さんと対戦してたら絶対に惜しみない拍手を送ってたもんね。

 今ブレックスにいる外国籍で一番好きなのはグラント・ジェレットさんなのだけど、そもそも今年残留してくれたことが奇跡なんだろうなと思ってます。
 心の底から残ってほしいけど、でも、そうじゃなくても責める気なんて起きない。もしB1でプレーするならどこであろうとブレックス戦は見に行きたいし、惜しみない拍手を送りたい。もし海外に行っちゃったとしても、なんらかの手段で活躍を追いかけたいなと思います。


 BリーグのチャンピオンはCSの覇者のことだけど。
 CSよりもレギュラーシーズンの方がずっと長いわけで。
 レギュラーシーズン60試合のうち、今年一番勝ったのは宇都宮ブレックスでした。たったの9回しか負けていない。
 長いシーズンの中で一番ファンを喜ばせてくれたと思っています。本当にありがとう。

 そして、個人的には現地観戦できたのは41試合でした。35勝6敗。
 35回も現地で喜ばせてもらったわけですよ。
 ファン1年目なのに、こんな贅沢させてもらっちゃって……本当にありがとうございます。

 CS、天皇杯も入れると負けを見たのは9試合。毎回ものすごく悔しかったけど、それだって幸せだったなと今では思います。
 死ぬほど悔しい思いって、わたしの今の人生にはあまりないことで。その感情を抱くことすらも贅沢だって思うのです。

 それに、現地であればどんな試合だろうと「レッツゴー栃木!」って叫ぶことができる。

「レッツゴー栃木!」を口にするときはいつもブレックスの勝利しか祈っていなくて。日頃の辛いことも悲しいことも全部忘れて、ただただブレックスのことだけを考えている、純度の高い時間。いつだって夢中だった。楽しかった。

 CSのQF、game3。
 あの日叫んだ「レッツゴー栃木!」と「ディーフェンス!」は、人生で一番の祈りだったと思う。
 あの日叫べたことも、今となっては最高の思い出に思えます。好きなチームのために祈るのはこんなにも幸せなことなんだな。


 この人を推したい!と直感した選手を通じて、大好きだと思えるチームに出会えたこと。選手一人一人はもちろん、スタッフやコーチ、チームの根底にある精神も全て愛せること。「このチームのファンを名乗りたい」と思えるチームと出会うことがどれだけ幸運なのか。
 ブレックスと出会わせてくれた運命にも、感謝の気持ちでいっぱいです。


 2023-24シーズン、宇都宮ブレックスに関係した全ての人の幸せを陰ながら祈っています。みんな幸せになってね。
 そして、もし、来シーズンもご一緒できるならこの上ない幸せです。
 そうでなくても、また会える日を楽しみにしています。

 最高のシーズンをありがとうございました!
 また来年もよろしくお願いします!
 GO BREX!!

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