子どもに過保護になる妻の心理とは？
「○○ちゃん、７時よ！早く起きなさい」
「今日は降水確率50パーセントよ、折りたたみ持って行きなさい」
「いってらっしゃい、あれ、スマホはもった？」
僕の家で毎日のように繰り広げられる大学生の次男と妻とのやり取りです。
このような過保護な妻に対して、かつて僕はイライラしてしまいます。
ただ、妻がなぜ過保護になるのか、その理由を理解することによって、イライラは以前ほど感じなくなりました。
今回のは、なぜ妻は子どもに対して過保護になるのかその理由をご紹介します。
そもそも「過保護」とはどういう状態か
「過保護」とは、親が子どもを必要以上に守りすぎたり、先回りして世話を焼きすぎることを指します。
似たような行動に「過干渉」があります。
過干渉は、子どもの行動や考え方に対して細かく口を出し、コントロールしようとすることです。
過保護と一部重なるところがありますが、子どもの守りに主眼を置くのが過保護であり、過干渉が子どもへのコントロールを主眼においているところに違いがあります。
我が家では、上記の例の他以下のような関わりを、中学ぐらいまで親がしていました。
・子どもの上履きを親が洗う
・子どもの今日着ていく洋服を親が選ぶ
・忘れ物をしないように、親が毎朝中身を確認する
妻が過保護になる3つの要因
一般的には、母親が子どもと接する時間が長いので、母子が密着するパターンが多いです。
妻が過保護になるのは、生物的要因、心理的要因、関係性要因の3つの要因があります。
まずは、生物的要因として、オキシトシン（「愛情ホルモン」とも呼ばれる）の作用があります。母子の絆を深めるホルモンです。
これが、出産や授乳時に分泌され、子どもを守りたいという強い感情を引き起こします。これが妻が「過保護」につながると言われています。
続いて、心理的な要因です。これには3つの要因に大別されます。
1． 母親の責任感の強さ
「自分がしっかりしなきゃ」という思いや、子どもを「守らなければ」という強い責任感が強さのことです。
母親は、「自分がしっかり守らないと、子どもが大変な目に遭う」と思いや、「ケガをしたらどうしよう」「病気になったらどうしよう」と不安を感じやすいことがあります。
特に第一子の場合、母親の責任感が強くなりやすくなります。
2．「母親の育て方が子どもの人生を決める」というプレッシャー
「私の育て方が悪かったら、子どもがダメになる」と感じることで、過保護に走ることがあります。
背景に子どもの人生に母親の影響が大きいという社会的な考え方も影響しています。
母性神話というものがあります。
母性神話とは、「母性本能が備わった母親こそが、愛情深く子どもを育てることができる」といった考え方です。
今では、さまざまな研究によって、根拠がないことがわかっています。
ところが、根拠がないとわかってはいながら、未だに、母性神話が強く根付いており、女性への責任感に拍車をかけているのです。
3．「母親としての評価」を気にしている
「ちゃんとした母親でいたい」という母親としての評価を気にしすぎていますことも要因としてあります。
周りのママ友やSNSの情報などから、「育児をしっかりしないと、周りからダメ母親だと思われる」と感じてしまいがちです。
それが、過保護を促すことにつながります。
夫の「子どものことはお前に任せる」という言葉が、プレッシャに拍車をかけることもあります。
最後に、 関係性の要因についてお伝えします。
これは、夫婦関係の不和が、母子密着をもたらすものです。
子どもがいる夫婦で、夫婦関係がギクシャクして不安定になると、一方が子どもを味方につけることがあります。
一般的には、母親が子どもと接する時間が長いので、母子が密着し、父親が子どもと疎遠になるパターンが多いです。
これを家族心理学では、「三角関係化」と呼んでいます。
家族内においては、二者関係が緊張状態になると、周囲の何かを巻き込んで三角関係を形成しようとする引力が働くのです。
妻は意図して子どもを味方につけているのではなく、自覚がなく結果としてそうなっているケースがよくあります。
母親が子どもに父親の愚痴や不満をもらすなど直接的に働きかけることもあったり、子どもへの過保護の形で、母子密着することがあります。
まとめ
以上、子どもへの過保護の要因をお伝えしました。
妻の過保護を問題視する夫としては、自分妻が上記のうち、どういう要因で過保護になっているのか、考えてみることをオススメします。
そのことが、妻を悪者としてとらえずに、妻の理解につながります。
次回の記事では、過保護の問題点について、様々な視点から解説します。
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