
戦略商材?クロスセル商材?狙うポジショニングで変わるパートナー戦略の考え方
現在、多くの企業がパートナーセールスを活用し、効率的かつ効果的に市場拡大を目指しています。しかし、パートナー戦略を成功させるためには、提供する商材のパートナー企業内でのポジショニングを明確にし、狙うポジショニングに適したパートナープログラムを提供することが非常に重要です。今回は「戦略商材」と「クロスセル商材」のポジショニングに着目し、それぞれの商材に適したパートナー戦略の考え方について解説します。
1. 20以上の商材を販売代理店/紹介代理店として取り扱った経験の中で見えてきた事
弊社では、これまで20以上の商材を販売代理店や紹介代理店として本格的に取り扱ってきました。「戦略商材」として扱ってきたプロダクト。「クロスセル商材」として扱ってきたプロダクト。どちらも存在します。同時にアライアンスの提案を受けた商材は100を超えますし、代理店契約を締結した商材は50を超えます。しかし、そのほとんどが本格的な拡販フェーズには至っていないという現実もあります。
「戦略商材」「クロスセル商材」として本格的な代理店活動をスタートしたケースでは、パートナープログラムにどのような条件が揃っていたのか。今後、パートナープログラムを設計される企業様にお役立ていただけるよう、これまでの活動を振り返り整理をしてみました。
2. 戦略商材に求められるパートナープログラム
戦略商材として本格的な取り扱いを進めたケースでは、パートナープログラムに以下の条件が揃っていました。
完全OEMである
戦略商材は完全OEMで提供されることが理想的です。今後の市場成長率が高いマーケットである
成長著しい市場での展開は、商材の売上拡大を見込む上で非常に重要です。市場が成長することで、商材の需要も自然と高まります。時代背景にあった活用方法が見出せる
商材が時代のニーズに合致していることも重要です。最新技術やトレンドに対応した商材は、顧客にとって魅力的な営業ストーリーが設計しやすくなります。トレンドに乗ったフックポイントを形成できる
なんだかんだ言っても商材がトレンドやバズワードに乗ったものであることは、マーケティング戦略を推進する上で大きな利点となります。代理店が商流から外される心配がない
先述の「OEM提供」という観点と似た論点ですが、仮にOEMでの提供が難しいとしても「開発元が判明した場合でも、代理店側が商流から外される心配がない」環境や仕組みは代理店側が戦略商材として取り扱いを進める上で不可欠な条件となります。
3. クロスセル商材に求められるパートナープログラム
一方、クロスセル商材として本格的な取り扱いを進めたケースでは、パートナープログラムに以下の条件が揃っていました。こちらのケースではとにかく「手離れの良さ」「収益率」を求めていることがお分かりいただけると思います。
ベンダーのレスポンスが早い
クロスセル商材においては、ベンダーの迅速なサポートが重要です。商談の進行をスムーズにするためにも、レスポンスの速さは大きな強みとなります。ベンダーが商談に同席してくれる
商談にベンダーが同席することで、パートナー企業の負担を軽減し、商談の成功確率を高めることができます。利益率が高い
クロスセル商材は、利益率の高さも重要な要素です。パートナー企業にとっても、利益が出やすい商材は積極的に販売しやすくなります。紹介まででOK
クロスセル商材は、紹介だけで完結することが多いです。パートナー企業の負担が少なく、受注率を高めることができます。紹介後の受注率が高い
紹介後の受注率が高い商材は、パートナー企業にとっても魅力的です。受注の成功率が高いことで、パートナー企業のモチベーションも向上します。
4. これらを踏まえたパートナープログラム設計の考え方
戦略商材とクロスセル商材、それぞれの条件を踏まえた上で、パートナープログラムを設計する際のポイントをご紹介します。
戦略商材向けパートナープログラム
トレーニングとサポート:パートナー企業が商材を理解し、効果的に販売できるよう、トレーニングプログラムを提供します。また、技術的なサポートやマーケティング支援も充実させます。
インセンティブ制度:売上目標達成に向けたインセンティブ制度を導入し、パートナー企業のモチベーションを高めます。
共同マーケティング:パートナー企業と共同でマーケティング活動を行い、商材の認知度を高めます。
クロスセル商材向けパートナープログラム
迅速なサポート体制と受注支援:ベンダーからの迅速なサポートを提供し、パートナー企業の負担を軽減します。また、商談にベンダーが同席し、受注率を高めるための支援を行います。
簡潔なプロセス:紹介までで完結するプロセスを設計し、パートナー企業の業務負担を最小限に抑えます。
高い利益率:利益率の高い商材を提供し、パートナー企業にとって魅力的なプログラムを構築します。
5. まとめ
パートナーセールスを成功させるためには、商材のポジショニングを明確にし、それに基づいたパートナープログラムを設計することが重要です。
戦略商材とクロスセル商材、それぞれの特性を理解し、適切なパートナー戦略を構築することで、より効果的な市場拡大を実現することができます。
もちろん組んでいくパートナー企業によって戦略商材として扱ってもらうべきか?クロスセル商材として扱ってもらうべきか?方向性が変わっってくるケースもあるかと思います。うまく使い分けができるように双方のストーリーを用意しておくことが理想的と言えるでしょう。