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パートナーセールスへの懸念を払拭し、戦略的に成果を出す方法


パートナーセールスの成功確率は決して高くありません。実際に、SaaSビジネスの拡大を目指すフェーズでパートナーセールスという戦略が一つの選択肢として上がったものの懸念を払拭できず戦略が頓挫してしまったというケースも多いのではないでしょうか。

よくお伺いする「パートナーセールスに感じる懸念点」として以下の内容が挙げられます。

▼パートナーセールスに感じる懸念点

・パートナーとの関係構築に多大なパワーを要するのでは?
・インブランディングは成功事例も少なく難易度が高いのでは?
・各社直販に足踏みしパートナー戦略を採用しているのでは?
・膨大な手間と時間が必要では?
・結果が出るまでに長い期間が必要では?
・直販とパートナーセールス、両立が難しいのでは?
・分厚いマージンを用意できないと売ってもらえないのでは?
・パートナーをこちら都合で動かす事はできないのでは?

実際のところ、パートナーセールスには多大な労力と時間が必要とされるのも事実であり、上記の懸念点が実際の問題点として顕在化するケースも多いです。

一方で軌道に乗ると大きくレバレッジが効くという点がパートナーセールスの魅力です。

パートナーセールスを成功させるためには、上記のような「パートナーセールスで発生しがちな問題」を解決するための戦略を事前にしっかりと用意しておくことが重要です。

今回の記事は、上記の「パートナーセールスで発生しがちな問題」を防ぐための施策について解説を進めていきたいと思います。

1. パートナーとの関係構築に多大なパワーを要するのでは?

確かにパートナーとの関係構築には多大な労力が必要です。多大な労力がかかるため、特に直販と兼任で業務を進める場合、短期の経済合理性からパートナーセールスが後回しになってしまいがちです。そのため、経営陣がパートナーセールスにコミットし、「なぜパートナーセールスに取り組む必要があるのか?」。「将来的な組織規模の話が要点なのか?」。「PLG組織を目指す事が要点なのか?」。本質的な目的を見失わず、目的に沿った戦略と計画、目標を立案し、直販とは別軸でKPIを設定、運用していく必要があります。パートナーセールスの成功には経営陣のコミットメントと積極的な関与が不可欠です。

2. インブランディングは成功事例も少なく難易度が高いのでは?

インブランディングが難しいと感じるかもしれませんが、成功事例を研究し、自社の強みを活かす戦略を立てることで効果を上げることができます。成功事例が少ないからこそチャンスも大きいと言えます。直販やインサイドセールスは成功事例が溢れており、競争環境が激しく、活動量やマンパワーで勝負しなければいけない一面もあります。一方でインブランディングは成功事例も少ない分、戦略や知恵次第で優位性を得る事ができるマーケットであると捉えることもできます。例えば、インブランディングを成功させるためのノウハウを得たいと考えた時、「イングリーディエント・ブランディング」というキーワードで生成AIなどとキャッチボールするだけでも多くのインスピレーションが得られます。

3. 直販に足踏みしパートナー戦略を採用しているのでは?

直販での成果が思わしくない中でパートナー戦略を導入するのは誤りであるケースが多いです。足踏みの理由がマンパワーやエリア、特定業種にアプローチが難しいなどの理由であれば話は少し変わって来るかもしれません。

4. 膨大な手間と時間が必要では?

特に初期段階は膨大な手間と時間がかかります。短期の経済合理性で見た場合、直販の方が成果創出が早いケースが多いのは間違いありません。「1.」と重なりますが、本質的な目的を見失わず、中長期のレバレッジを狙ったパートナーセールス戦略を運用していく必要があります。

5. 結果が出るまでに長い期間が必要では?

結果が出るまでには一定の期間が必要です。一方でパートナーとのコミュニケーションを最適化することで、その期間を短くしていく事が可能です。それを実現するための仕組みがパートナープログラムになります。パートナーへの徹底したサポートを行い、一方でパートナーから時間軸も含めたコミットメントを得ることが重要です。

6. 直販とパートナーセールス、両立が難しいのでは?

直販とパートナーセールスの両立は可能です。しかし、グロスの目標設定や同一メンバーでの運用は難易度が高い傾向にあります。可能な限り、目標設定やチーム、メンバーは分けたいところです。

7. 分厚いマージンを用意できないと売ってもらえないのでは?

マージンだけがパートナーを動かす要因ではありません。パートナーにとって魅力的な製品であること、戦略に適合していること、商材をクライアントへオススメすべき理由があること。パートナーのビジネスモデルを徹底理解し、そのニーズに応えることで、マージン以上の価値を提供することができます。パートナーが重要視している戦略は何であるか?チャーンレートの低減なのか?ネガティブチャーンの創出なのか?LTVの最大化なのか?自社サービスの平均契約期間が問題なのか?この辺りを抑えた上で協業の戦略を設計する事が重要です。

8. パートナーをこちら都合で動かす事はできないのでは?

パートナーとの関係は対等なものであり、こちらの都合で動かすことは難しいです。しかし、共通の目標を設定し、時として共に打席に立ちながら、パートナーからコミットメントを引き出す事がパートナーセールスマネージャーの役割となります。

まとめ

パートナーセールスに対する懸念。これらを戦略的に解消し、取り組むことで競合に先駆けた大きな成果を得ることを狙えます。パートナーとの強固な関係を築き、共に成功を目指しながら、プロダクトの成長を実現していきましょう。

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