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中国語のどこが面白いか

会社で中国語講座を取って勉強しています。仕事で使うからとか、旅先で話せるようになりたいからとかではなく、ただただ興味!中国語は面白いですよ。ざっくり挙げると下記2点。詳しくお話していきます。

1. 中国語は知っている漢字も多い分、意味の受取りが簡単だったり揺らいだりして面白い。
2. 独自性があるので、中国語から見る世界は違って見える。

迷い込む彩りの世界

そもそも学ぼうと思ったきっかけは台湾のデパートで見つけた案内板です。化粧品売り場の階について「迷彩世界」と書かれていました。迷い込む彩りの世界。やわらかいピンクや鮮やかな発色の緑など、化粧品の色彩がジャングルを豊かに染めて、迷い込んでしまったような情景が浮かびました。言語から受け取る意味が揺らぎ、心地よく波が広がるような感じがありました。

他にはどんな漢字の組み合わせがあるんだろう?中国語を知ることで、ものの見方が変わるんじゃないか。そんな期待をもって、学び始めました。

授業はかなりスローペースで進めてもらっているので、受講から2年経ちましたが、まだ第9課。あと4課で1冊の教科書が終わります。つまりまだ基礎の段階なんですが、そのなかで覚えた好きな単語をすこしご紹介します。

手机 shou ji:携帯
手の机。手のひらサイズの机。ほとんどの人がスマホでメールを送ったり、メモをとったりしているので、スマホは確かに机代わりになっています。

辛苦了 xin ku le:お疲れ様
日本語だと疲れたことに対して敬意を払っている印象ですが、中国語は辛苦了。「辛くて苦しいの終了!!」「辛くて苦しいの終了!」と声を掛け合っていると思うと清々しい。

图书馆 tu shu guan:図書館
书は本という意味。構造といい見た目といい日本語と似ていますが、图に惹かれました。箱の中に冬が入っています。図書館の静かな気配…あらゆる時代・国から集められた知が積もっている様が、音もなく雪が振り続ける冬と重なって良いなと思いました。

本質にハッと気付く

中国語にはストレートな表現が多い印象があります。中国語の視座で見ることで、ものを裸にしてしまうようなおかしさと、ハッとする気づきが得られます。1つ目の紹介で何を言っているのか、すぐにおわかりいただけると思います。

iPad→平板 ping ban
確かに…!あれは平たい板だ!!(いやiPadって呼んでくれよ)(こういう話です)

コンビニ→便利店 bian li dian
コンビニを漢字に置き換えるとしたら、まさに便利店がしっくりきそう。便利さが一番重視されて設計されている。

劣っている→差 cha
その人自身が絶対的に劣っているのではなく、相対的な評価なわけだから、ただの差ともいえる。

iPadを平板ということに関しては、大雑把ともいえるかもしれない。でも、あの高性能で、幅広いクリエイターに愛されているiPad様を「平たい板」と言っちゃえる豪快さに憧れるのです。「1万円札なんてただの紙よ」と言われる気持ちよさと似ていますね。

絶対なる独自性をもった言語

授業では習った構造を応用して好きな例文を作る練習があります。「A, 还是B」はAかBか?という構文を習っていたときのこと。「ハンバーガーが好きか、ピザが好きか」という例文を作りたいと思い、先生に聞いてみると

「ハンバーガーは汉堡包 han bao bao、ピザは比扎饼bi za bianです」

発音は似ているものの、意味の付け方は中国語っぽい。ハンバーガーの包は肉包子(肉まん)と同じ包。ピザの最後についているのは餅。そういえば、iPadも平板ですし、外来語をそのまま呼ばないことを不思議に感じました。

さらに思い返してみると、英語圏なら「佐藤さん」は「sato-san」と呼ばれるのに、中国語の授業では「zuoteng(佐藤)」と、中国語読みされる。あまりにスムーズに「あなたはzuotengです」と言われるので、疑問を感じることなく受け入れていました。

なぜ外国語の読みのまま取り入れないんだろう?と考えていたところ、数学の本を読んで合点がいきました。一部紹介します。

例えば、外来語と接したときにその中に含まれる「特有の概念を表す同義語」が母国語にないときには、対応する単語を作り出します。
(中略)
それに対して、清末の中国人はこういうことをしませんでした。なぜなら「今までになかった述語や概念を自分たちの言語体系に追加しなければならない」ということは「自分たちの世界認識には、欠けていた概念が存在することを認める」ことになるからです。このような考え方の違いによって東アジアの近代化にむらが生じたと考える哲学者もいます。
出典:上原博明著「日常会話で使いたい数学用語辞典 」

外来語を自分たちの言語体系に追加しない。

やっぱり意思をもって外来語を追加せず、自国で単語をつくりだしているんですね、先程の文章は清末の中国人の話でしたが、この考え方は今にも引き継がれているのではないでしょうか。中国がGAFAを出入り禁止にし、ひとつずつ中国語版のサービスを展開していることとも繋がっているように思えるのです。

中国版サービス
Google→百度
Twitter→微博 weibo
YouTube→优酷 youku 哔哩哔哩 bilibiliなど
LINE→微信 weixin(wechat)

不便だろうななんて思っていたのですが、あっという間に国内の実力を成長していて、TikTokは大ヒットですし、逆にアメリカが連邦職員のTikTokの使用を禁止する顛末になっています。北京政府が立ち上げようとしている「China Standards 2035」では、ありとあらゆる次世代技術の「標準規格」の主権を取りに来るのではと予測されています。そうなるとやせ我慢に見えていた時期に醸成させて、大逆転を狙っている中国の大きさが見えてきませんか?

外来語を自国に追加しない。自分で作り出す、という精神が息づいていることがわかりました。

話をもとに戻すと、だからこそ中国語は独自性があって面白いのです。

1. 中国語は知っている漢字も多い分、意味の受取りが簡単だったり揺らいだりして面白い。
2. 独自性があるので、中国語から見る世界は違って見える。

また中国語の面白さを発見したら書こうと思います。

ありがとうございました!




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