鯛で海老をつる心意気
「化粧品はなに使っているの?」と聞かれるのが苦手です。
値段が高いものを答えれば「お前ごときの顔面が高いものを使うな」と言われそうですし、安いものを答えれば「せめていい化粧品くらい使えよ」と言われそう。間をとってファンデや基礎化粧品は良いもの、シャドウやチークは安いものを使っています。顔色を伺うような買い方ですが、ひとつだけお金を出したと胸を張れる分野があります。それは美容外科関連。
なんでかというと、基本的に美容外科の施術は痛い。施術後のケアをやらなくてはいけない面倒もつきまといます。金を払って痛い目にあい、ささやかな美を得る。その勇ましい姿勢に敬意が払われるのは当然だと思ってしまうのです。と言っても今まで脱毛くらいしかしたことがなかったのですが。
2月はクルーズ船でコロナ感染者が出て、マスクをつける人が増えてきた時期でした。社内でもマスク着用の義務が科されるようになり、つけてない人が茶化されるくらいです。そんな周囲を見渡してこう思いました。今なら整形してもダウン期間ごまかせる。お金やメンテのことを考えると整形は現実的ではないので、気になっていたシミ取りレーザーを打つことにしました。
補足
一応、シミ取りについて説明しておきます。方法は2つ。
①レーザー:肌を焼き切るようなイメージ。超痛い。火傷、内出血が起きるので一週間は肌色のシールをつけて保湿する。3ヶ月後に色素沈着が起きて、一旦色が暗くなり、半年後に完了する。3mm一個で2000円。
②トーニング:ライトで深層部にあるメラニンまで照射する。広範囲、薄いシミを一括でとるのに最適だが、完了まで1年と長期間かかる。その後のケアは特に必要なく、自然に肌のトーン全体を明るくできる。目の下で15万。
今回やるのは①のレーザー
施術は3分
痛いと聞いていたレーザーはやはり超痛かったです。細い針で火傷を点々と作っていくような感じです。脱毛も焼けるような痛みがありますが、近い箇所をじりじりといじめられるので、こちらの方が痛さエスカレーターが急。ビクッとする体をなだめるように、看護師さんがぽんぽんと肩を叩き続けてくれました。
終わって鏡を見てみると、思った以上にグロい。シミの大きさよりも一回り大きく照射しているので火傷部分が大きくて目立ちます。肌色のシールを貼っても、上から塗る軟膏のせいでしっとり透けてしまい、赤みが露わになります。マスクをつけても、目のすぐ下は出てしまうので3箇所中2箇所は出てしまう。
「うちに帰ってゆっくり休んでください」と言われましたが、その日は人と会う約束がありました。LINEを開き「レーザー打ったんですけど、思ってたよりグロいです。見ても引かないでください」と送信。こんな迷惑な文章送っても「気にしないよ」しか言えないよな、と即反省。電車に乗ると、周囲の人が訝しげにじっと顔をのぞいてきました。やめてほしい。恥ずかしくて、力が抜けました。アンパンマンもこんな気持ちだったのかな。顔が湿ったから力が出ないというのはどういう理屈だろうと不思議に思っていたけれど、痛い容姿を持って刺さる視線に耐えられるわけがない。魂が抜けながら窓の景色を見ていると返信が来ました。「大丈夫!」「好き!」その適当な返事にちょっと救われ、待ち合わせ場所に向かいました。友人は火傷を見て「ほーん。大丈夫だよ」と言って、その後はずっと私の目を見て話してくれました。
友人の態度に安心し、一晩寝た翌朝は「金を払って痛い目にあった私スゴイ!!」の通常モードに戻ることができました。むしろ職場では「誰かどうしたの?って突っ込んでくれないかな」とソワソワするくらい。
シミ取りは痛いし、精神的にもダメージくらいますが、取ると大分気持ちがスッキリしました。おすすめ!と締めくくりたいところですが、お金と時間があるなら絶対にトーニングがいいと思います。
補足2:
レーザー当てるまでは、ちまちまとハイドロキノン(強めの美白塗り薬で、誤って目に入れたら失明するらしい)でしのいでいました。最初は、みんな大好きアイハーブで輸入してましたが、近所の皮膚科で1000円で売ってくれるようになったので、仕入れやすくなりました(感謝)ただし、効果は細々たるもので、濃くなったシミを0にすることは難しい。でも、メラノccよりは目に見えて効果ある気がするので今も使ってます。