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スイス旅行総括
タイトルの画像の場所を探しに行きました。
見つかってよかったです。
犬もカメオ出演してくれて大満足です。
スイスに行く前は、永世中立国、国際機関がある、銀行が強いというイメージでした。
行った後のイメージをまとめました。
1.ゆとりがあって、のどかで牧歌的
2.カラフル、アーティスティック、コンパクト
3.タバコに寛容的でダイバーシティに富む
人がニコニコしています。ぼーっと街ゆく人を見ていると、微笑んでくれます。たぶん冷笑ではないはず。自分はわりとかばんのチャックを開けて歩きがちなのですが、「開いてるよ!」と声かけてくれる人も3人くらいいました。電車で足元にDVDを忘れて行ってしまいかけた方に、これあなたの?と声をかけることができたのが今回の旅のハイライトでした。
都市部は人が多いですが、少し歩けばすぐにヨーロッパの原風景。落ち着きがあって、のびのびとしています。人に迷惑をかけない限り、やりたい事は我慢せずします。食べながら歩いているし、電車だって座ります。人より席の数が多いから。歩くスピードもゆっくりです。
庭先や窓は、ちょっとおしゃれに飾っています。飾るものは何種類もなくて、ワンポイント。花や、謎のモニュメントや、国旗など。ごちゃごちゃしてないので、全体が調和してカラフルです。国民を巻き込んで観光立国しているのでしょうか。
びっくりするぐらいごみが落ちていません。たぶん捨てる人もいるけれど、頻繁に清掃車が通っているからでしょう。電柱もなくて、どこにカメラを向けてもそれなりに映えます。
スモーキングエリアも多数完備。バリアレスとはいいがたいですが、ベビーカーの昇り降りは周りの人が手伝ってあげます。日本ではあまり見ないタイプの車?車型自転車や、電動キックボードなどもたまに見ました。そのうちペッパーくんが街中を歩いていても不思議ではないくらい、人種のメルトポットというかサラダボウルです。
ここからは、途中で買った本を読んで知った話。
スイスの正式名称は、コンフェデレティオ・ヘルヴェティカなんだそうです。各地域の行政単位はカントンとよばれ、中央集権化のなかでも強いアイデンティティを保持していました。直接民主主義の源流も、その個々のアイデンティティの強さにあるのでしょうか。
赤十字軍の創設や亡命者の受け入れなど、国際社会ではかなり特異な立ち位置につき、産業の発展と労働運動の展開で国民の生活も豊かになっていった20世紀初頭、周辺国では政治的緊張が高まり、スイス国内も仏独言語圏による対立が生まれ、今でも尾を引いています。
第二次大戦中は、経済・軍事の絶対的中立と自国防衛に徹し、国民皆兵の総動員体制に移行し、アルプスの砦作戦、ヴァーレン計画を推し進めました。地形を利用し国家要塞が築かれたその裏では強かに経済外交も維持し、周辺国は安易にスイスに手出しをできなくなっていましたが、戦後になると当時の倫理観に疑問符が投げかけられ、調査委員会も設置されました。経済・政治ともに安定的な成長を見せ、国際機関、調停役としての役割を強める一方、国家としての中立性、独立性も維持しています。
長々としてしまいましたが、個々のアイデンティティが強く、それを保証するために物理的な強さや経済的な強かさを備えているのでしょう。
いづれにしても、また訪れたい場所でした。
余談:今回の旅で1番困ったのは、成田空港に帰国してから。カードを持ち物検査に通してしまって、キャッシュ機能がぶっ壊れてしまいました。日本円は向こうに持っていっても邪魔になると思い、全てスイスフランに換金してほぼ一文なし。空港から出られない😵ターミナル状態です。幸いクレジット機能は生きていたため、JRのクレジット払を駆使して目的地までたどり着き、乗合サービスで帰宅できました。銀行窓口で謝礼金を下ろすまで、待ってくれたドライバーさんに感謝です。