【本棚】#5 すごい進化 「一見すると不合理」の謎を解く

本棚5冊目

すごい進化
「一見すると不合理」の謎を解く
鈴木 紀之

生物の生態について進化、に焦点を当て、
なぜそんな一見しておかしな(不合理な)生態なのか、それはエラーなのか合理的な進化なのか?
を仮説、検証した本です。

ジャンルは…なんだろう、学術書、と言うには読みやすいですが、強いて言えばそんな感じでしょうか?

さて、特に自分は生物に興味が強いわけでもないですが、とかくこの本は読んでよかったです。
シンプルに面白かった。

よく生命の神秘、と言われるものですが、確かに考えるとなんでだ?と思うような不合理がこの世にはあふれています。

例えば、本書でも言及されているクジャク
鳥のくせに飛べない馬鹿でかい派手な羽を持ち、なにするかと思えば求愛に全力。

人間が動物園で見てるぶんにはいいですが、どう考えても生きづらそう笑
ただ、そこにも進化の合理があり、れっきとした理由がある、と言うことです。(例えクジャクがそんなこと考えてなく、偶然だったのしても)


さて、突然ですが、、

男っていらなくね?

と思ったことありませんか?

自分自身、男として生まれ、男として24年ちょい生きてきたわけですが、何度か思ったことあります。…女になりたい願望があるわけではありませんが笑

なにせ特に専門じゃなくても、ざっと下のことが思いつきます。

・この世には無性生殖という、単一性だけで繁殖可能な生物がいる
・無性と比較し有性になることで1個体産むのに2個体が必要(コスト2倍)
・感染症やら寄生やら、異物の入り込む余地が多い

それこそ、漫画・映画とかでもたまに出てくる

優秀な奴のクローン作ればいいんじゃね?説

ちゃんと考えてみると、実は生物の大前提「性別」すら不合理になんじゃね?と思うわけです。

適応は完全ではない

この本でも「役立たずなオス」という章で、性が存在する理由について言及しています。

曰く

繁殖や生存に関わるコストを切り詰めることで効率的で洗練された形質をたしかに生み出してきました。しかし、それだけではありません。(中略)明らかにコストのかかる形質さえも合理的に参加しうるのです。

弱肉強食が世の常とはいえ、完全に効率的、合理的な強者だけが残る、というわけではない。それが生物の面白さなのかもしれません。


もはやどこで興味を持って、いつ買ったかすら忘れてしまったこの本ですが、笑

人間もちょっと複雑なだけの生物であり、その枠組みを超えてはいないのだな、ということを実感しました。

仮説・検証を繰り返しているので、その考え方も他ジャンルでのヒントになりそうだな、と思います。

比較的、昆虫を題材としている本ですが、できれば他のテーマ(魚とか)でも考えを聞いてみたいなと思いました。

そして、この後、人間はどう進化していくのでしょうね笑

オワリ


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