【本棚】#13 ジョゼと虎と魚たち

本棚13冊目(下書きに書きかけの13があったのは秘密)

ジョゼと虎と魚たち 田辺聖子

小説原作で1985に短編集として発売され、2003年に実写映画化、2020年10月にコミカライズ化・12月にアニメ映画化がされている作品。

今回読んだのは短編集。
友人がアニメを見た、ということで本を読んでみようと思い立った作品で、映画も漫画も読んでいないのでそちらは知りません😭今度見てみよう

最初短編集ということすら知らずに読み始め(なんせ本題は「ジョゼと虎と魚たち」なので)、吉岡って誰!ってなりました笑

収録作品は9作
そのうちの7作目が「ジョゼと虎と魚たち」です。

普段職場で何の気なく会っている人の私生活をのぞいてしまった。そんな感覚になる本。

全体に共通していることとして「20代〜40代前半の男女」を通じて人間としての交わりを描いた作品。

エロチックというほど直接的ではないが、生々しさがあり、ねっとり(作品内で言えば「もっちゃり」)しているので好みは分かれそう。

ちなみにねっとりしているのに、何故か重くないのは全編関西弁だから?笑

そして「ジョゼと虎と魚たち」だけで言えば映画、漫画、とはかなり差異のある話なんだろうなー、とは思いました。なんせ映画や漫画になるほどの量はないので。
でも、9作の中で一番好き。他の作品が短編の後日談が特に気にならず話が完結しているように感じたのに対し、これだけは膨らまして考えたくなった。

登場人物たち

短編9作、様々な男女が出てくる。
ドラマ作家の女性・甥っ子をからかいつつ楽しむ女性・結婚がいずれ来るものだと思い込んでいるがどこかで夢見だとわかっている女性・元妻の家と今の家を文句を言いつつ往復し続ける男性、そして下半身不随の女性と「管理人」と呼ばれる男性。

誰も彼も登場人物に足る癖があり、概ねねっとりしており、そしておそらく「その辺に普通にいるであろう人々」という感じがする。どこか淡々と、ある種冷淡冷静に感情が記されている。

だからこそ先に書いたように、知り合いのプライベートをうっかり覗き見てしまったような気持ちになったのかもしれない

ジョゼと虎と魚たち

どうやらレビューを見ると、展開も結末も違うものらしいが、読んだ後の気分は観た後の気分と同じものらしい。

まだ映画も漫画も見ていないので、そっちも楽しみです。


オワリ

久しぶりに本を読んだらあまり言葉が出ずうっすい感想になってしまった…






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