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「ザ・グローリー~輝かしき復讐」韓国の闇、いじめ怖い

ザ・グローリー〜輝かしき復讐」全8話をほぼ一気見に近い感じで観終えました。

壮絶ないじめを経験した高校時代から十数年の時を経て、綿密に練った復讐(ふくしゅう)計画を実行に移し始めた女性。その目的は、自分をいたぶった者たちに、罪の代償を払わせること。

Netflix公式

ドラマを観てからネットで概要などを調べていて知ったのですが、脚本が「シークレット·ガーデン」「太陽の末裔」「トッケビ」「ミスター·サンシャイン」のキム・ウンスク作家、演出が「秘密の森」「アルハンブラ宮殿の思い出」「青春の記録」のアン・ギルホ監督だそうです。
この中で「シークレットガーデン」以外は全部観ています。どれもいい作品ばかりで、なるほどしっかりしたストーリーで、見応えあるドラマとなっておりました。
目を逸らしたくなるようないじめシーンもリアルに描かれて、これって本当にあるのかなと思うのだけれど、十数年前の韓国ではあったようです。
ドラマの中でのいじめを見ると、犯罪になるレベルだと思いますが、お金持ちは何でも権力とお金で解決しちゃうので、貧しい者は何をやっても太刀打ちできないというむなしさ。貧しさは負けでしかない社会に生きるのは大変ですね。もうそこに生まれてしまうとその階級から抜け出すことは到底無理なようです。

マイ・ディア・ミスター」でも貧しいからできないこと、知らないことがあって、底辺にいる者は努力しても報われないと思われていたけれど、そんな中でも人とかかわり、光を見いだしていく女性の姿が描かれていました。
今、少し観ている「愛と、利と」でも、高卒の主人公が昇進したくても学歴の壁に阻まれる社会の生きにくさを嘆いています。

韓国のこういう社会の階級の話を聞くと、BTSの「ペップセ(Silver Spoon)」が思い浮びます。

あの有名な骨盤ダンスが披露される曲ですが、Silver Spoon=
銀の匙
は、

Born with a silver spoon in one’s mouth
銀のスプーンを使うような裕福な家に生まれた

という英語の慣用句から、韓国では「スプーン階級論」というのがあるそうです。「スプーン階級論」というのは、「金の匙」「銅の匙」「土の匙」など、貧富の差によって人を分類し、親の財力によって人生が決まるという考え方だそうで、お金持ちに生まれたらその子供の人生も裕福なままの人生がついてくるけれども、貧しい家に生まれてしまえば、子供も貧しいままの人生をたどることになるということになります。
SKYキャッスル~上流階級の妻たち」などを観ていても、子供たちは高学歴が求められ、就職やその後の人生も決まってくると考えられているのが分かりますし、そのためにはよい教育を受けさせること、進学塾に通ったり、それ専門の家庭教師を雇ったりするお金が必要で、貧しい家庭では、そのラインには最初から乗ることができない。
そういう感覚が、裕福な家の子供が自分の待遇が親のおかげでもあることをを知っていながらも傲慢になったり、貧しい家の子供を見下していじめを行うという心の病を生んでしまうのかもしれません。

韓国特有の社会の事情があってこそのドラマ、この上流階級で生きる子供たちというのは自信に満ちていて、お金と権力にものいわせ、怖いものなし。大人になってもかなり強者だと思いますが、数十年後、いじめられたことへの復讐という形で本当にこの闇を打ちのめすことができるか?

主演のソン・ヘギョは、「太陽の末裔」「ボーイフレンド」ともあまり好きではないタイプの女優さんで、どちらも途中離脱しているので、「ザ・グローリー」もソン・ヘギョか、、、という感じで観ていたのですが、あれ、何か違う、この役にとっても合っているし、むしろ好きと思っちゃったんですけど、何でや。
私はここにきてソン・ヘギョの魅力に気づくとは、つくづくドラマセンス、見る目がないんだなと思ってしまいます。そんな私のドラマレビューを見ていただいてるあなたは一体、、、申し訳ないです(;´∀`)

このドラマ、みんな悪過ぎなんだけれど、その悪さが半端なくて、全員振り切っています。その中でも特にいじめ役のリーダー、ヨンジン役イム・ジヨンの意地悪な表情とその演技全てがはまっていました。
それから、囲碁ですよね。
囲碁の対局を通して、その人の性格を見せたり、心の動き、相手を攻めていく象徴として使っているのかなと思いますけれども、何ともおしゃれな演出
だと思いました。囲碁のルールが分からないので、盤を見てもその攻め具合がよく分からないのが残念なんですけれども((+_+))

最終話8話目の後半に来ても一向に解決されそうにない話の進み具合で、えっ、ほんまにこれ最後?と何度も残り時間を確認しましたが、はい、最後でした。
結局解決したかどうか分からないまま、うまいことシーズン2へと誘われるネトフリ戦略?
この続きから始まるのか、また別のストーリーが始まるのか?よく分かりませんが、とにかく3月10日配信までおあずけのようです。

どうりで8話は短過ぎると思いましたよ。
最近はこれまでハードスケジュールがまかり通っていた韓国ドラ界も働き方改革か、ゆったりした放送スケジュールや話数が少なくなってきたりしているようで、このドラマもその一環でしょうか?
それにしても、やらなあかんことをほっぽり出して一気に最後まで観た私の労力は何だったのか。
ちょっと虚しさの残る「ザ・グローリー」の鑑賞でした。

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