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コンセプトの達人は凡人に成り下がる。#04

裏テーマのことはさておき、
2人で合わせたコンセプトというのは筋の通った自信のあるものだった。

あまり胸を張って言える事ではないが、大学生の時、ビジネスコンペで優勝したこともあるし、学生の時に開業もした。そこそこ大きな補助金も獲得したことだってある。

コンセプトも含め、事業計画を考えるのはお手の物だ。

しかし、不覚にもPodcast番組開設5ヶ月後にタイトルを変更することとなった。

■路線変更した理由

この大きな要因としては、私がポスドクを名乗ることに苦痛を感じ始めたからだ。

研究者ルートを諦めたい。
そこが一番の決定打となったとなったのは事実だ。
それはPodcastで全て出しきったので聞くなり読むなりしていただけたら幸いである。
特別回で長ったらしく話したのでここでは深く書かない。

■タイトル変更した別の理由

ただ、変更した理由は1つだけではない。

筋の通ったコンセプトを決めたのに、何故だろう、ともみさんはパートの話をしないのだ。飲食店を開きたいという話をしないのだ。

私だけが、研究者を目指し、あがき、ポスドクという肩書を使って暴れている。
なぜいつもこうなる?

ともみさん、普段話してくれている話をそのまますればいいのに…。

あぁ、コンセプトがズレていく。
危機感に思う私は、より過激に、それを見たともみさんは、より穏健に走っていく。
このままではまずい。私のメンタルが持たない。

ラジオのみでしか知らない方は意外に思われるかもしれないが、普段の私はあんな流暢にキレない。
こんなこと野暮で言いたくはないのだが、私はいつも、上手にキレるために、台本をしっかり作っている。

話し上手に思っていただいた方には申し訳ないが、私はスラスラ言葉が出るタイプではない。
ちなみに、ともみさんは、台本を作らない。

それを見た私は回を増すごとに台本を練り上げることとなる。台本づくり、編集作業、番組の告知に、Noteへ補足情報の追記…
これを続けては身体が持たない。

■ぶち当たる壁

私のコンセプト作りは、自分の性格に合うように構成されていた。だから、ともみさんには通用しなかった。
つまり、番組作りというのは人それぞれということだ。身も蓋もないが、そういうことだ。そもそも自分の行動原理となる欲求を言語化することは困難なのかもしれない。

コンテンツづくりにも、研究にも言えると思うが、「誰でも簡単に〇〇できる!」といった魔法の裏ワザなんてない。
自分の成功例を他人に当てはめてはいけない。当たり前の事だ。不覚だった。

マルクスだって言っていたじゃないか。平坦な大道はないと!

学問にとって平坦な大道はありません。そして、学問の険しい小道をよじ登る苦労を恐れない人々だけが、その耀く頂点にたどりつく幸運にめぐまれるのです。

カール・マルクス「フランス語版へのあとがき」『資本論』カール・マルクス (著), 日本共産党中央委員会社会科学研究所 (監修),2019年.

ただ、コンセプトがズレようが、最初はそれでも別に良いと思っていた。自分がコンセプトに合う話題作りを考え、ともみさんは自由に話す。それはそれでライブ感が出ておもしろい。

しかし、私がポスドクを辞めたいと思ったとき、誰もコンセプトどおりの話をする人がいなくなった。

パートを抜け出す気のないTOMOMI、ポスドクを抜け出すことを諦めたCHIEによる「パートとポスドクから脱出したい!」

なんだこのPodcastは?俯瞰で見ると、この番組は何をしたいのかがさっぱり分からない。そして自分たちも何がしたいのか分からない。

タイトル変えたい…
さぁどうしたものか。

智慧

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