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日本という、このすばらしい国 その2
執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰
自然の恵みに満ちている国、日本
日本は特殊な国です。特別な国といってもいいかもしれません。日本人のことではありません。日本という国が位置する場所が特殊であり、特別なのです。言葉を言い換えれば「日本は、恵まれすぎるほど恵まれている風土の中に位置している」といえます。四方八方を海に囲まれています。しかも北からは2つの寒流(親潮、リマン海流)が、南からは2つの暖流(黒潮、対馬海流)が、ちょうど日本列島を挟むようにして流れています。
黒潮は、メキシコ湾流と並ぶ世界の2大海流として良く知られています。親潮は、栄養分に富んだ海流です。その黒潮と親潮が、日本列島の太平洋側沖合でぶつかり合います。リマン海流と対馬海流が日本海側の沖合でぶつかり合います。どちらの沖合においても強い潮境を形成します。親潮の栄養分に富んだ海水が黒潮に暖められて植物プランクトンが爆発的に増殖し、これを餌とする動物プランクトンが集まり、そしてこの動物プランクトンを目指して魚が集まるという具合に食物連鎖が形成されます。
この潮境が生じる海域は、昔からイワシ,サンマ,イカ,カツオ,サバなどの回遊魚が季節ごとに姿を現す豊かな漁場でした。例えば、季節ごとに大量の漁獲が約束されていたイワシは、食べるばかりではなく魚粉として加工され、肥料として豊かな農作物の恵みとなり、カツオは鰹節として加工されダシの素として、保存食として様々な食文化を育んできました。また、日本列島の内陸部から海に注ぐ河川は、森の資源を海に運ぶと同時に、鮭や鱒などの産卵場所として、さらに豊かな食料資源を提供してくれました。もちろん鮭や鱒は、人間の食料資源としてばかりではなく、森に棲む熊たちの越冬用の食料資源としても貴重でした。
気候も、日本列島が中国大陸から完全に分離した1万2千年ぐらい前は、現代より平均気温が数度は高かったようです。日本列島は、現代もそうですが、今以上に高温多湿なモンスーン地帯であったはずです。海面水位も現代より高く、海岸線の位置もかなり内陸部に浸食していたようです。これは縄文時代、さらには弥生時代の遺跡の多くが現代の日本地図によると、海側ではなく、山側の谷間のあたりに位置していることを見てもあきらかです。そうなると、当然のように樹木が豊かに茂り、国土の大部分は照葉樹林と落葉広葉樹林が混在する森林列島であったことはいうまでもありません。海の幸に恵まれ、山の幸に恵まれ、しかも春夏秋冬の四季に恵まれ、今年採取できた果樹や木の実や、今年漁獲できた魚は、来年も必ず採取・漁獲できるという自然環境の中で我々の祖先たちが暮らしていたのです。
和辻哲郎氏の著書「風土 人間学的考察」によるまでもなく、高温多湿なモンスーン地帯に居住し、春夏秋冬ごとに必ず回遊してくるさまざまな魚介類に恵まれた生活誌は、今を無事に生きれば、来年も、約束された恵みがやってくるという文明や文化が醸成されたのではないでしょうか。少なくとも、厳寒の地で、じっと罠をしかけ、いつ来るともしれない獲物が現れる瞬間を待ち続ける狩猟を営む民族とは、異なる風土のもとでの生活誌を前提とした歴史を繰り返してきたはずです。もちろん、約束された恵みは、「正の恵み」ばかりではなく同時に地震や台風や豪雨や洪水、さらには火山爆発という自然災害と背中合わせの、「負の恵み」の脅威に身をさらされていたことも間違いありません。想像できます。自然を畏れ、自然を敬う文明や文化が、我が国のアニミズムやシャーマニズムの信仰として芽生えたことに何の不思議もないないのではないでしょうか。(つづく)
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【杉山 彰(すぎやま あきら)プロフィール】
◎立命館大学 産業社会学部卒
1974年、(株)タイムにコピーライターとして入社。
以後(株)タイムに10年間勤務した後、杉山彰事務所を主宰。
1990年、株式会社 JCN研究所を設立
1993年、株式会社CSK関連会社
日本レジホンシステムズ(ナレッジモデリング株式会社の前身)と
マーケティング顧問契約を締結
※この時期に、七沢先生との知遇を得て、現在に至る。
1995年、松下電器産業(株)開発本部・映像音響情報研究所の
コンセプトメーカーとして顧問契約(技術支援業務契約)を締結。
2010年、株式会社 JCN研究所を休眠、現在に至る。
◎〈作成論文&レポート〉
・「マトリックス・マネージメント」
・「オープンマインド・ヒューマン・ネットワーキング」
・「コンピュータの中の日本語」
・「新・遺伝的アルゴリズム論」
・「知識社会におけるヒューマンネットワーキング経営の在り方」
・「人間と夢」 等
◎〈開発システム〉
・コンピュータにおける日本語処理機能としての
カナ漢字置換装置・JCN〈愛(ai)〉
・置換アルゴリズムの応用システム「TAO/TIME認証システム」
・TAO時計装置
◎〈出願特許〉
・「カナ漢字自動置換システム」
・「新・遺伝的アルゴリズムによる、漢字混じり文章生成装置」
・「アナログ計時とディジタル計時と絶対時間を同時共時に
計測表示できるTAO時計装置」
・「音符システムを活用した、新・中間言語アルゴリズム」
・「時間軸をキーデータとする、システム辞書の生成方法」
・「利用履歴データをID化した、新・ファイル管理システム」等
◎〈取得特許〉
「TAO時計装置」(米国特許)、
「TAO・TIME認証システム」(国際特許) 等
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