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脱マトリックス!理論と実践2020 (vol.11):奇跡を日常にする環境
執筆:いち あまね
この時代の人類の進化の方向性として、はっきりとこの世界の仕組みを理解した上で、マトリックス空間を抜け出し、自分を超え、人間を超え、無限の可能性を発揮するクリエイターとして生きること。
そのための情報をお伝えしていきます。
「奇跡」のシャインマスカット
先日、netenの社屋と電子祝殿の目の前にある「ふとまにの里」で、ちょうど、皆様に出荷される直前のシャインマスカットやワイン用のベリーAを見学させていただき、一足お先に試食させていただきました。
私、シャインマスカットの名産地の生まれですが、こんなに美味しいシャインマスカットが無農薬でできるものか!と驚きました。
赤ワインも、もちろん大ファンでございます。
ふとまにの里は、土地や農地をイヤシロチ化する「カグツチ」や農業用ロゴストロンによってイヤシロチ化されている上、分子レベルでは、成熟した腐植土の最終生成物であるフルボ酸、ゼオライト 、酵素、有機炭素で土壌改良されている、あらゆる生命にとって最高の場。
本来、糖度の高いブドウは、虫などにやられやすいため、無農薬で育てることは「不可能」とされていますし、よほど成熟した生物多様性の高い農地に仕上がらなければ、有機農法でも難易度が高いとされています。
農地としては新しい、このブドウ畑が、完全無農薬栽培で虫食いがなく、贈答用としても全く遜色がない状態のブドウを収穫できるのは、農業関係者にとっては「奇跡」と言える現象でしょう。
その奇跡が当たり前に起きているのは、場・環境・土壌の力です。
netenの技術の粋により、場のイヤシロチ化と同時に分子レベルでも物質的な植物にとって最高の土壌に改良していることによります。
人間にもブドウにも共通する生命ロゴス
前回まで、細胞がいかに細胞周囲の環境を感知して、遺伝子の修飾であるエピゲノムを変化させ、遺伝子の振る舞いを変え、細胞を環境に適合させているのかをお話ししました。
これは、ブドウと同じですね。
生命ロゴスというこの世界の原理原則は、どんな細部にも適用されている、あらゆる生物・無生物を現象化する際の共通のルールです。
ですから、ふとまにの里のブドウに起きた「奇跡」は、もちろん、同様のセッティングを行えば、人間にも起こって当然です。
ただし、生命ロゴスを理解していれば、それは「奇跡」ではなくなります。メカニズム通りに当然のことが現象化した「奇跡」を「当たり前」の「日常」と捉えることができます。
病気を現象化する環境
例えば、糖尿病患者さんでは、ダメージを受けているのは、膵臓のランゲルハンス細胞というインスリン分泌細胞です。大腸がん患者さんでは、例えば、ダメージを受けているのは、腫瘍ができている下行結腸の局所の上皮細胞です。
ランゲルハンス細胞が荒廃したり、大腸の上皮細胞ががん化するためには、そうなるための環境条件が整っていなければなりません。
一般的ながんを含めた生活習慣病は、多因子発生ですから、例え、糖尿病や大腸がんの遺伝子を持っていても、その後の生活習慣によって細胞環境が整わなければ発病はしません。
逆に、たとえ局所のがんを切除したとしても、がん化を起こす細胞環境・体内環境を変えないことには、簡単に再発したり、転移巣が大きくなったりします。
ですから、予防にも、治療にも、「環境」を意識したアプローチが必須です。
細胞環境が影響するエピジェネティクス分野の研究や、人間の土壌である腸内環境・腸内フローラと多くの疾患との関連など、人間に影響する「環境」の科学的な研究が最先端医療において進んでいます。
前回お話ししたように、エピゲノムに影響するのは、エネルギーレベル、分子レベルのありとあらゆる環境です。
ふとまにの里のブドウのように、健康で生き生きとした状態でいるために、日々、最適な環境を整えることが重要ですね。
病気を克服する決断と環境
薬剤を使わずに、また、がんにおいては、手術・化学療法・放射線治療という三大治療を行わずに病気を克服する例は、世界中にたくさんあります。
私自身もいくらか経験していますが、それを「奇跡」として捉えるのではなく「日常」にすることは、決して不可能ではないと考えています。
逆に、自分自身も家族も、決断を迫られますので、覚悟がない方にはお勧めはしていません。迷いや不安があれば何を選択しても後悔しますし、死に行く魂であれば、何をやっても死に向かいます。
もちろん、死は敗北ではないですし、そこへ向かうプロセスにおける学びこそが重要です。
そうした前提がある上で、あくまでも、私が臨床医として一人ひとりの患者さんとご家族に関わってきた中での私見としてお伝えすることをお断りさせてください。
疾患を抜本的に克服する患者さんに共通するのは、「はっきりとした決断がある」ということです。
「病気の状態を作り出した、過去の自分とは決別する」
「自分を抜本的に変える」
恐れを手放して、その決断ができるかどうかが、とても重要です。
Vol.7「病を生む意識」でもお伝えしたように、アイデンティティそのものが「I αm 病気」である状態を抜本的に変えなければ、病気という意識フィールドを変えることはできません。
そして、誰かや何かに依存している状態をやめ、自らが生命ロゴスを扱う創造の主体として、「自分で健康を創る」という明確な意志を発動することがスタートです。
その上で、細胞環境を整えるアプローチがようやく有効になります。
食は人と環境を接続する媒介
日々の食は、とても重要です。
食から抽出される栄養素は、人間の分子レベルの素材になりますので重要なのはもちろんですが、その前に、人間の土壌である腸内環境・腸内フローラを整えるために非常に重要です。
土壌である腸内環境が、血液環境を決定し、細胞環境を決定しています。
食は、土壌の作物を通して、人と環境を接続する重要な媒介です。
人間の土壌は、自然環境の土壌の延長線上であり、植物と同じように、土壌が悪いと人間も健康に育ちません。
土壌と植物と腸内環境と人間のシステムの相関性は、普遍的な原理原則のもとにこの世界は形作られていることをはっきりと分らせてくれます。
次回からは、人間の土壌であり、最先端科学である腸内環境・常在細菌叢の世界を観察してみたいと思います。
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【いち あまね プロフィール】
医師・認定産業医・文筆家
米国IBA認定・ボディトークプラクティショナー
国立大学医学部医学科卒
出口王仁三郎が霊山として、邸宅を構えた岡山県熊山遺跡の麓に生まれる。
某大学病院糖尿病代謝内分泌科を経て、臨床医として最新のバイオロジカル医療・予防医療から在宅・看取り医療まで幅広く臨床経験を積みながら、個々の病気の根本原因やより良き生と死に向き合ってきた。
究極のヘルスケアは、人類の進化であると捉え、最新の分子整合栄養療法・バイオロジカル医療から常在細菌学、生命科学、意識科学、理論数学、物理学、哲学などを統合した視点で、医療とヘルスケアの次元上昇を目指している。
薬を処方する代わりに、情報空間へのアプローチとして、情報を処方することを天職と捉え、書籍やメディアなどで情報を発信している。
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