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この宇宙はプラズマでできている vol.014

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

2.6.「・・・プラズマ状態・・・」以降の宇宙の様子

「17種類の素粒子は質量ゼロの光速の速さで飛び回るプラズマ状態となって宇宙全体に拡散したのです」、科学の言葉で語られた、ビッグバン宇宙「ア・ワ」の開闢は、まさに日本書紀は “「渾沌」「滄溟」「滄海」「天霧」と語り、あるいは「我が生める国、ただ朝霧のみありて、薫り満てるかな” と語っているのです。つまり「現象以前の世界の有様」を「・・・プラズマ状態・・・」と同定できるのです。 

ここで、お断りしておきますが、科学が語っている「17」は物質をかたちづくる17種類の素粒子です。言霊百神が語っている「17」は、物質に名前を与えるための17種類の父母音(天名)、先天17言霊、天津神諸の命(あまつかみもろもろのみこと)です。物質と、その物質の名前の決定は根源的な問題なのです。この問題に関しては後述します。

その前に、“10の27乗Kという超高温・超高密度のプラズマ状態”に言及したいと思います。このプラズマ宇宙の状態を科学の言葉では、クォーク・グルーオン・プラズマ(QGP)と呼称しています。

ビッグバン宇宙開闢から38万年の間に、宇宙の膨張はどう進み、その膨張と共に宇宙の温度はどう変化したかという概略と計算根拠を述べてみます。なお、当該概略の出典は和田純夫氏が著された「宇宙創生から人類誕生までの自然史」とします。

ビッグバン発生から1000億分の1秒頃の宇宙の温度は5000兆度程度でした。この温度をいったん基準値とします。その後、時間のほぼ平方根に比例して宇宙は膨張し、また、平方根に反比例して宇宙の温度は下がっていきます。

つまり1000億分の1秒から10億分の1秒、さらに1000万分の1秒と、時間が100倍になるごとに、温度は10分の1ずつ下がっていきます(100の平方根は10)が、たとえば1000年から10万年になったときでも、100倍ですから温度は10分の1しか下がりません。以下に時系列一覧します。

〈概略時系列〉
・10のマイナス44乗秒後:10の32乗K(重力が分離)
・10のマイナス36乗秒後:10の27乗K(強い力が分離)
・1000億分の1秒後:5000兆度(ヒッグス粒子は蒸発状態)
・100億分の1秒:3000兆度(ヒッグス粒子が凝縮化素粒子に質量をもたらし始める)、(弱い力と電磁気力が分離)
・0.0001秒後:1兆度(光子が分離、クォークが結合して陽子と中性子が誕生)
・0.01秒後:1000億度(大量の光子、ニュートリノ、電子が飛び交う)
・1秒後:100億度(宇宙の大きさは銀河系の100万分の1。素粒子は、まだスープ状態)
・3分後:10億度(陽子と中性子が結合。原子核が誕生)
※スティーブン・ワインバーグが著した「宇宙創生はじめの3分間」には、この3分後以後の事象について記述してありますが、3分以前の現象については何ら言及していません。

・10万年後:1万度(まだ原子核は原子になれない。電子と結合してもすぐに分解される)
・38万年後:3000度(原子核と電子が結合。最初の原子、水素原子が誕生)
※電子が原子核に取り込まれるようになり、光は電子に衝突せず直進可能になった→「宇宙の晴れ上がり」)。

・50億年後:(銀河系/天の川誕生)
・100億年後:(太陽と地球や他の惑星が誕生)
・現在:2.7K

以上が「・・・プラズマ状態(クォーク・グルーオン・プラズマ)・・・」以降の宇宙の様子です。さらに「言霊百神:21頁/高御産巣日神・言霊ア、神産巣日神・言霊ワ」の引用を続けます。

“修理固成(つくりかためなせ)とは人間に与えられた先天を活用して後天である宇宙の森羅万象を創造し、次いでその森羅万象を整理し活用して人間が住むに応わしい文明世界を建設せよと云うことである。

この記述こそが、きわめて核心的・確信的なことなのです。人間に与えられた役割は、先天17言霊を活用して宇宙の森羅万象を創造し、次いでその森羅万象を整理し活用して人間が住むに応わしい文明世界を建設せよ、というのです。さらに引用を続けます。

“但し、此の場合宇宙を創造すると云うことは太陽や星辰や、河海山野動植を作ると云うことではない。そうした物件自体を一体何者が作ったかと云うことは人間には不可知不可解に属することである。これを架空の観念の神なる者が作ったと仮定し、そう信じることは自由であるが、それはそれだけに止まることで真理にはならない。古事記は不可知不可解の内容を独断した観念の遊戯ではない”

ここは驚くべき記述です。この箇所は解釈する必要がないでしょう。古事記の記述、つまり八百万の神、つまり多神教の摂理の根源がこの数行で言いあらわされているのです。

古事記には、古事記のどこにも神が何かを創造したという記述は一切無いのです。人間が森羅万象のすべてに名前を付けるための言葉を言霊として与えたとしか記述されていないのです。

“「無名は天地の始め、有名は万物の母」(老子)と云うが、岐美二神の創造の意義に老子のこの命題がぴたりと当て嵌まる。森羅万象が生まれると云うことはその名が出来ると云うことである。森羅万象が有ると云うことは一つ一つその名が有ると云うことである。

事物の実体はその名すなわち言葉に存する。名がなければ物事はない、名状し得ず、認識し得ず、把捉し得ない。すなわちそれは未剖の渾沌である。

「天津神諸の命」の修理固成の命令はその天津神そのものである先天、天名に基いて、宇宙間のすべての要素の名を定め、その名の原理すなわち原理の言葉を以て万物を命名し、その原理ある言葉を指導原理として国家、社会、世界を組織し、建設し、経営せよと云う生命の命令である。「天津神諸の命」の修理固成の命令はその天津神そのものである先天、天名に基いて、宇宙間のすべての要素の名を定め、その名の原理すなわち原理の言葉を以て万物を命名し、その原理ある言葉を指導原理として国家、社会、世界を組織し、建設し、経営せよと云う生命の命令である。「天津神諸の命」の修理固成の命令はその天津神そのものである先天、天名に基いて、宇宙間のすべての要素の名を定め、その名の原理すなわち原理の言葉を以て万物を命名し、その原理ある言葉を指導原理として国家、社会、世界を組織し、建設し、経営せよと云う生命の命令である。

名は万物の母であり、言葉が万物存在の根拠である。人間が創造する文明の実体は言葉であり、言葉として組織された世界が人間によって生み出された最初の国であり、文明の発展は言葉の発展である。この事の意義を先ず充分に弁えないと、これから先の岐美二神の創造の意義を理解することが出来ない。”

以上の記述は、とくに説明がなくても感覚的に理解・納得・得心がいく内容かと思います。最も重要なキーワードは3つ(ミコト)であり、ミコト(霊〈ミ〉言〈コト〉)⇒命(ミコト)です。

(1)森羅万象が有ると云うことは一つ一つその名が有ると云うことである。
(2)「天津神諸の命」の修理固成の命令は生命の命令である。
(3)人間が創造する文明の実体は言葉である。

宇宙起源、創生から38万年が経過した「宇宙の晴れ上がり」までのお話しでした。今回は、新装版:言霊百神、新装版:言霊精義、そして旧版の言霊開眼、と小笠原考次先生の著書からの引用を多用しました。


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【杉山 彰(すぎやま あきら)プロフィール】
◎立命館大学 産業社会学部卒
 1974年、(株)タイムにコピーライターとして入社。
 以後(株)タイムに10年間勤務した後、杉山彰事務所を主宰。
 1990年、株式会社 JCN研究所を設立
 1993年、株式会社CSK関連会社 
 日本レジホンシステムズ(ナレッジモデリング株式会社の前身)と
 マーケティング顧問契約を締結
 ※この時期に、七沢先生との知遇を得て、現在に至る。
 1995年、松下電器産業(株)開発本部・映像音響情報研究所の
 コンセプトメーカーとして顧問契約(技術支援業務契約)を締結。
 2010年、株式会社 JCN研究所を休眠、現在に至る。

◎<作成論文&レポート>:
 ・「マトリックス・マネージメント」
 ・「オープンマインド・ヒューマン・ネットワーキング」
 ・「コンピュータの中の日本語」
 ・「新・遺伝的アルゴリズム論」
 ・「知識社会におけるヒューマンネットワーキング経営の在り方」
 ・「人間と夢」 等

◎<開発システム>
 ・コンピュータにおける日本語処理機能としてのカナ漢字置換装置・
  JCN<愛(ai)>
 ・置換アルゴリズムの応用システム「TAO/TIME認証システム」
 ・TAO時計装置

◎<出願特許>
 ・「カナ漢字自動置換システム」
 ・「新・遺伝的アルゴリズムによる、漢字混じり文章生成装置」
 ・「アナログ計時とディジタル計時と絶対時間を同時共時に
   計測表示できるTAO時計装置」
 ・「音符システムを活用した、新・中間言語アルゴリズム」
 ・「時間軸をキーデータとする、システム辞書の生成方法」
 ・「利用履歴データをID化した、新・ファイル管理システム」等

◎<取得特許>:「TAO時計装置」(米国特許)、
 「TAO・TIME認証システム」(国際特許) 等


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