“本来の存在”についての理解 GT2-29
本来の存在とは何でしょう?
バガヴァッド ギーター(श्रीमद्भगवद्गीता)第2章 サーンキャヨーガ(सांख्ययोगः)真実の知恵についての章の重要部分です。
肉体に宿る 本来の存在(アートマン आत्मन् ātman)について語っています。
アートマンは全生物に宿る壊れることのない存在、肉体は壊れても本来の存在、自分の本質は変化しない永遠の存在だと言われています。
賢者はアートマンの知識を知ることで、自由(モークシャ मोक्ष mokṣa )を達成し、輪廻(サムサーラ संसार saṃsāra)から解放されます。
クリシュナは戦士アルジュナに「戦場の人々が戦いに倒れたとしても、悲しむことはない」と、また「戦士にとってダルマ(調和 धर्म dharma)に則って為すべきことをすることが栄誉ある行いとなる」と言いました。
戦争肯定の話だと勘違いされやすいですが、戦争という究極な状況を借りて “本来の存在“とは、“自分の真実“とは、ということを説明してくれています。
バガヴァッドギーター第2章29節
आश्चर्यवत्पश्यति कश्चिदेनमाश्चर्यवद्वदति तथैव चान्य: |
आश्चर्यवच्चैनमन्य: शृ्णोति श्रुत्वाप्येनं वेद न चैव कश्चित् || २९ ||
āścaryavat paśyati kaścid enaṃ āścaryavadvadati tathaiva cānyaḥ
āścaryavaccainam anyaḥ śṛṇoti śrutvāpyenaṃ veda na caiva kaścit || 29 ||
アーシュチャルヤヴァット パッシャティ カシュチデーナン
アーシュチャルヤヴァッド ヴァダティ タタイヴァ チャーンニャハ
アーシュチェルヤヴァッ チャイナ マンニャ シュルノーティ
シュルットヴァー ピェーナン ヴェーダ ナ チャイヴァ カッシュチト
本来の存在について真実を知る人がいるというのは、驚くべきことだ。
また、この存在について話を聞く人がいるのも驚くべきことだ。
そして、この存在のことを聞き、理解する人がいるのも、驚きである。
逆に、全く理解しない人がいのも驚くべきことでである。
※日本語訳 やさしく学ぶYOGA哲学 【原点訳】バガヴァッド ギーター 前編
向井田みお先生(著)より
アーシュチャルヤヴァットの意味は、驚くべきこと。
アヌシュトゥプ(अनुष्टुप् Anushtup)とトリシュトゥプ(त्रिष्टुप् trishtup)
バガヴァッドギーターなどのシュローカ(श्लोक śloka 詩節)をチャンティング(chanting)する時に2つ(本当はもっと沢山あるけれど)の韻律(チャンダス छन्दस् chandas )があります。
8音節4句のアヌシュトゥプ(अनुष्टुप् anuṣṭup)
11音節4句のトリシュトゥプ(त्रिष्टुप् triṣṭup)
ほとんどがアヌシュトゥプですが、ここぞと言う大事な場面に!?
トリシュトゥプが登場します。大事なとこなんですね。
個人的にはこの韻律が変わるところが大好きで、ワクワクします(笑)
まとめ
“本来の存在“について、知る人は少なく、知ろうとする人(興味のある人)も稀、その中で教えを聞いて理解する人はさらに希少なのだと、大昔から言われてきたことなのです。
そんな詩句に触れられるとは!私たちは何とラッキーなんでしょう!
“本来の存在”についてやサンスクリットの勉強ができることに感謝です。
その本質についてもっと知りたい方は、
やさしく学ぶYOGA哲学 【原点訳】バガヴァッド ギーター 前編
やさしく学ぶYOGA哲学 【原点訳】バガヴァッド ギーター 後編
向井田みお先生(著)
音:YouTube
Bhagavad Gita, Chapter 2·
Swami Paramarthananda Bhagavad Gita Chanting
6分15秒〜29節です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。