アーユルヴェーダにおける 6種類の味(षट्रस シャッドラサ・ラサ)
アーユルヴェーダ(आयुर्वेद)では食べ物の味は6種類に分けられています。
現代では栄養学的に炭水化物とかタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどで食べ物を判断していますが、アーユルヴェーダでは以下の味を上手に利用することによって健康維持や治療に役立てられます。
シャッドラサ(षट्रस)6つの味と5つの構成要素(पञ्चमहाभूत パンチャマハーブータ 5大元素)
①甘味(मधुर マドゥーラ)Sweet 水+地
②酸味(अम्ल アムラ)Sour 地+火
③塩味(लवण ラヴァナ)Salty 水+火
④辛味(कतु カトゥ)Pungent 風+火
⑤苦味(तिक्त ティクタ)Bitter 風+空
⑥渋味(कषाय カシャーヤ)Astringent 風+地
6つの味(ラサ)と3つの性質(त्रिदोष トリドーシャ)との関係
甘味
甘味は水と土で構成されています。
ヴァータとピッタを減らし、カパを増やします。
6つの味の中で最も栄養があることが知られています。適度に食べると、長寿、強さ、健康な体液と組織を促進します。
甘い食べ物:小麦、米、乳製品、シリアル、ナツメヤシ、カボチャ、メープル シロップなど
酸味
酸味は水と火で構成されています。
ヴァータを減らし、ピッタとカパを増やします。
食欲と唾液の生成を刺激し、光、熱、油性の特性のバランスをとっています。酸味は思考と感情を目覚めさせ、食欲、消化、排泄を改善します。食べ過ぎると体への負担が大きくなるため、適度に食べる必要があります。
酸っぱい食べ物:レモン、酢、漬物、発酵食品、タマリンド、ワインなど
塩味
塩味は土と火で構成されています。
ヴァータを減らし、ピッタとカパを増やします。
また、食品に味を加え、消化を刺激し、電解質バランスを助け、組織を浄化し、ミネラルの吸収を高めます。ただし、塩分が多すぎると、血液や皮膚に悪影響を及ぼす可能性があります。
塩辛い食品:海藻、海塩、醤油、黒オリーブ、ヒマラヤの塩、岩塩、および塩を含む加工食品がありますが、加工食品は推奨される塩源ではありません。
辛味
辛味は火と風でされています。
ヴァータとピッタを増やし、カパを減らします。
消化を刺激し、食欲を増進させ、副鼻腔をきれいにし、血液循環を刺激し、感覚を高めます. 辛味のある食べ物は、素早く明晰に考え、複雑な事柄をより簡単に理解するのに役立ちます。ただし、刺激の強い食べ物が多すぎると、過度に批判的になる可能性があります。
辛い食品:唐辛子、生姜、玉ねぎ、にんにく、からし、スパイスなど
苦味
苦味は風と空で構成されています。
ヴァータを増やし、ピッタとカパを減らします。
すべての味の中で最も軽いと考えられています。清涼感があるため、デトックス効果が高く、体内の老廃物を排出するのに役立ちます。苦い食べ物は、情熱や激しい感情からの解放、精神的な浄化にも役立ちます。
苦い食べ物:緑の生野菜、ウコン、緑茶、紅茶、ハーブティーなど
渋味
渋味は空と地でできています。
ヴァータを増加させ、ピッタとカパを減少させます。
涼しくて、乾いていて、しっかりしています。多くの豆類やマメ科植物は渋みがあり、ガスを発生させる可能性があります。苦い食べ物と同じように、渋い食べ物は精神を浄化し、強化するのに役立ちます。
渋い食べ物:熟していないバナナ、青ぶどう、ザクロ、クランベリー、インゲン、アルファルファの芽、オクラなど
参考サイト:The 6 Tastes of Ayurveda
3つの性質(त्रिदोष トリドーシャ)のバランスを取る味は?
ヴァータ(वात) 風と空のエネルギー
バランスを良くする:甘味、酸味、塩味
バランスを悪くする:苦味、辛味、渋味
ピッタ(पित्त) 火と水のエネルギー
バランスを良くする:甘味、苦味、渋味
バランスを悪くする:酸味、塩味、辛味
カパ(कफ) 水と土のエネルギー
バランスを良くする:辛味、苦味、渋味
バランスを悪くする:甘味、酸味、塩味
まとめ
6つの味(シャッドラサ)と3つの性質(トリドーシャ)の関係を整理したくてまとめてみました。
いろいろ書いていますが、アーユルヴェーダでは、日々の食事の中にバランスよく6つの味を取り入れていくことが大事だと教えてくれています。割合的には甘味を多く、苦味、渋味は少量で良いと言われています。
朝食は軽めで、消化力の高まる昼を1日のメインの食事にし、夜はまた軽くします。なるべく規則正しく時間に食べます。
お腹の中身の半分を固形物、4分の1を水分、残り4分の1を空にして消化の火がよく燃えるようにします。いわゆる腹八分目というやつです。
※腹パンは消化に悪いんです。
地元のもの、旬のものを新鮮なうちにバランスよく食べて健康を維持できるように努めたいと思います。
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