ジャパ瞑想:簡単だけど、とても優れている実践
前回「ヴェーダーンタ(वेदान्त[vedānta])の瞑想」でもご紹介しました。
神様の名前を繰り返し唱えることがジャパ瞑想です。
他の瞑想(マインドフルネス瞑想)などでは宗教性を排除して、心の安定や集中力の向上、睡眠の質向上など、心と体の健康に焦点をあてて取り組みやすくしたものもあります、もちろんそれはそれで良いと思います。
それらとは異なる“ジャパ瞑想”を見てみましょう。
瞑想の対象をはっきりさせる
ジャパ瞑想のように瞑想の対象(神様の名前)を唱えることで、瞑想の対象に集中しやすくなり、余計な思考を確実に減らすことができます。
また、最初に対象である神様の姿を思い起こすシュローカ(श्लोक)を唱えることでより明確になります。一例:ヴィシュヌ神の場合だと、
श्री विष्णु सहस्रनाम स्तोत्रम्
सशङ्खचक्रं सकिरीटकुण्डलं सपीतवस्त्रं सरसीरुहेक्षणम् ।
सहारवक्षः स्थल शोभिकौस्तुभं नमामि विष्णुं शिरसा चतुर्भुजम् ॥ ६॥
saśaṅkhacakraṃ sakirīṭakuṇḍalaṃ sapītavastraṃ sarasīruhekṣaṇam |
sahāravakṣaḥ sthala śobhikaustubhaṃ namāmi viṣṇuṃ śirasā caturbhujam || 6||
「法螺貝とチャクラ(चक्र)を持ち、王冠(किरीट)とイヤリング(कुण्डलं )を身に着け、黄色(पीत)の服(वस्त्रं)を着て、ハスの花びらの目をしている。
カウストゥバ(कौस्तुभ)の宝が胸で輝いている、4本の腕を持つヴィシュヌ(विष्णु)に頭を下げます。」
ヴィシュヌ神を思い浮かべるだけでも大丈夫です。その後ヴィシュヌ神の名前を繰り返し唱えていきます。
オーム ナモー ナーラーヤナーヤ
(ॐ नमो नारायणाय[oṃ namo nārāyaṇāya])
オーム ナーラーヤナ神に敬意を表します。
秩序と維持を表すナーラーヤナ神(ヴィシュヌ神)は全てに行き渡ります。
11回、21回、27回、54回、108回、ご自分で回数を決めて唱えます。
シヴァ神やガネーシャ神など、自分のお気に入りの神様のシュローカと名前でもかまいません。一度名前を決めたらなるべくその名前で継続します。
ジャパの唱え方
瞑想の時は心で唱えますが、最初の練習としては声を出して唱えてみます。
個人的にはウパーンシュジャパをお勧めします。
ウッチャ ジャパ(उच्च जपः)「大声で唱える」自分にも他の人にも聞こえる
マンダ ジャパ(मन्द जपः) 「十分に大きな声で唱える」自分には聞こえるが、他の人には聞こえない
ウパーンシュ ジャパ(उपांशु जपः)「声を出さずに口びるだけ動かして唱えるジャパ」
マーナサ ジャパ(मानस जपः)「心の中で唱えるジャパ」
チッタ ジャパ(चित्तज जपः)「自然に心から生じるジャパ」とも呼ばれ、声を出さずに唱えること。舌や喉も動かしません。
ラマナ マハルシ(रमन महर्षि)のウパデーシャサーラ(॥ श्री उपदेशसारः ॥)での
ジャパ瞑想の説明も見てみましょう。
उत्तमस्तवादुच्चमन्दतः । चित्तजं जपध्यानमुत्तमम्॥ ६॥
uttamastavāduccamandataḥ | cittajaṃ japadhyānamuttamam|| 6||
「賛美歌よりも神の名を繰り返し唱えることの方がよい。
大声で唱えるよりも小声で唱える方がよい。
しかし、何よりもよいの は心の中で瞑想することである。」
まとめ
意味を知らずにパーラーヤナ(पारायणम्)「聖典読唱 」やジャパ(जपः)をする意味があるのか?ただ唱えるだけでは機械的になるのでは?と疑問を感じるかもしれません。サンスクリット語は、言葉、音そのものが神聖で吉兆であると言われています。
実践と勉強を合わせて実践することが大切です。
私も聖典やサンスクリットの勉強中ですが、プラーナーヤーマとジャパ瞑想は大切だと思います。(時々サボりながら)マイペースで進んでいます(笑)
※来日したスワミ パラマートマーナンダ先生からジャパをすると良いとのお言葉をいただきました。
読んでいただきありがとうございます。
生きとし生けるものの幸せを願って
ॐ शान्तिः शान्तिः शान्तिः
oṃ śāntiḥ śāntiḥ śāntiḥ
オーム シャーンティ シャーンティ シャーンティヒ
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