ギリシア神話と織り(Kritsa: Agios Nikolaos・・ヨーロッパ放浪記(10)
巧は染織アーチストだが、その原点は実はギリシア神話である(以下呉茂一訳)。
「夜」が生み出したヘーシオドス以来の神格である運命の女神たち、三人娘というか、三老女神モイライである。
クロートー(紡ぐ者)は、現在を織り紡いでゆく。
ラケシス(領け与える者)は、未来の糸口を解き各人に領けとってゆく。
アトロポス(曲げえない者)は、過去を歌いつぐ。
つまり、アトロポスは、織られた部分、クロートーは、今この瞬間に織られている部分、ラケシスは、これから織られるであろう部分である。
最期に織り終わってから糸を鋏で切るのがラケシスまたはアトロポスとのこと(4章1.5)
織っている時、ギリシア神話を想起している。
それで、Agios Nikolaos(Crete)の近くの山村Kritsaに出掛けた。狭い道で、右走行車線初心者には厳しかった。
今は、観光地化していて、シーズンオフということもあってか、さほど染織と出遭わなかった(Kritsaは、織りで有名)。
小さなショップの片隅に織機があった。珍しいタイプかと思う。
多分、古代ギリシアから続いている織りなのだろうが、ギリシア神話とKritsaの織りの関係なんて、そもそも知ろうと思う方が可笑しいのかもしれない。
Kritsaの鄙びたギリシアの古村はよかった。Pamagia Keraというギリシア正教会の教会がある。
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