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【産地訪問レポート】植物をもっと広く世の中へ ~parkERsと生産者、家族のような絆を再確認するひととき〜

はじめに

こんにちは。parkERs グリーンライフ室の嶌田です。

このたび、私たちが空間デザインで使用している植物や、オンラインショップでご好評いただいている厳選植物の生産現場を訪れるため、グリーンライフ室のメンバーで5年ぶりに産地訪問を実施することになりました。
今回の訪問では、産地の方々と直接交流し、植物が持つ魅力や可能性を再確認するとともに、これからの取り組みに向けたアイデアを探しに行ってきました。

グリーンライフ室とは

オフィスや商業施設、住宅といった多様な空間に、花や緑を用いた独自のデザインを用いて、自然がもたらす「五感」を刺激する体感をお届けするparkERs。
中でもグリーンライフ室は、空間デザイナー・プランツコーディネーターとともに創り上げた空間の植栽メンテナンスや、花や緑の魅力を伝えるためのグリーンサービス(ワークショップ・季節装飾・イベント企画)の提供、観葉植物のオンラインショップの運営を通して植物のある空間と豊かな時間を世の中に広めることをミッションとするチームです。



・いざ千葉県の外房へ

parkERs外苑前オフィスに集合した後、全員でマイクロバスに乗って出発!
いつも生産地に行っているバイヤーが産地訪問をコーディネート〜引率まで担当し、本日の動きと合わせて今回の趣旨について説明がありました。
今回訪問する千葉県外房にある3つの産地と、日本各地の産地の特徴を学び、どんな植物に出会えるのかな?とワクワクしてきました。
 
他にも「良い植物ってなんだろう。」「自身が伝えていきたい植物の魅力は?」など、大事な問いについて一同頭を悩ませつつ、意見交換をしました。行きの時間を使ってチーム全員でしっかりと目線を合わせながら、産地へと向かいます。


・「高橋園芸」到着

「おぉ、久しぶり!よく来たなぁ!」
 
到着するやいなやフレンドリーに迎え入れてくれたのは、「高橋園芸」を営む高橋さん。
前回の産地訪問にも参加していたメンバーとの再会を喜びつつ、5年前と比べてparkERsに多くの新しいメンバーが加わったことに驚かれていました。

「高橋園芸」を営む、高橋さん

高橋園芸は主要品種であるウンベラータを始め、アガベ、カシワバゴムノキなど20品種以上の植物を扱う県内でも最大規模の生産者です。
 
現在のフィカス属中心の栽培を始めたのは、高橋さんの代から。常にお客様のニーズを確認しながら時代に合った品種を試行錯誤したのち、現在は最も相性が良かったウンベラータの生産を極めています。
 
ハウスに入るとそこには小さな鉢が所狭しと並び、メンバーのテンションも一気に上昇!さらにその奥に進むと一面にウンベラータが広がります。
 
高橋園芸のウンベラータは、一目見れば高橋さんのものだ、と分かる統一された樹形、他には見られない美しさと一本でも空間に映える華やかさをもっており、オンラインショップでも好評の商品です。

高橋さん直伝の剪定講座

実際に剪定に挑戦したベテランメンバーでも、「こんなにいっちゃっていいんですか…!?」と心配になるほど勢いよく切り進めていく高橋さん。

「この植物が3年、5年先にどういう形になるかを即座に判断して切るところを決めてる。大事な作業だからほぼ自分でやってるんだよね。」
 
私たちも日々の業務で行う剪定作業ですが、より長期の育成を見据えた高橋さんのハサミ捌きを間近で見て、全員の視座が上がる体験でした。

ついでにアガベの胴切りも教えてもらいました

高橋さんは、parkERsが立ち上げ期で生産者との繋がりをもっと深めたいと奮闘していた頃、一番初めにお世話をしてくれた生産者。コミュニティでも顔が広い高橋さんのおかげで、「parkERs」と認知してもらうきっかけを作っていただきました。
   
今日のように植物の育て方や生の知識を直伝してもらえることに感謝し、この関係性をこれからも繋いでいきたいと思います。


・「千波園」へ

「千波園」を営む、鈴木さん

千波園では、お父様の代から千葉県山武市の地でエバーフレッシュ、アスパラガス、シマトネリコなどを中心とした植物を栽培しています。
 
約6年前に鈴木さんが経営を引き継ぎ、試行錯誤しながら営んでいるとのこと。全く異なる業界から植物業界へ飛び込んだという鈴木さん、「自分はまだまだ勉強中の身なんで。」と謙虚で優しい人柄が伺えました。


エバーフレッシュの生産方法を語る鈴木さん

ハウスに入って奥に進むと、そこには2mを超える立派なエバーフレッシュたちが。
 
「僕らのエバーフレッシュは、大きさとボリュームが売りかなと。1鉢に2、3この苗をまとめて育てていくことで、上から下まで葉っぱがもりもりのボリュームある1鉢に仕立てています。」
 
本来エバーフレッシュは1本立ちが主流ですが、千波園のものは、複数を寄せていて株立ち風にしているのが特徴。そのため、シンボルになる立派さがありながらも、オフィスなど人と植物が近い距離で過ごす空間にも自然と馴染む雰囲気が出せて、パーテーションの役割にぴったりなのです。


立派なシマトネリコも出してくれました

これぐらいのサイズでこういうものが欲しいんですよね…と我々のざっくりした相談にも、「これなんかどうでしょう?」と奥から続々と植物を引っ張り出してきてくれました。
今回の産地見学の裏ミッション(!)として、「現地で実際に植物を購入し、室内空間での育成経過を計ってみよう。」という課題を課された若手メンバーたち、目の前ですくすく育つ植物たちに目が光ります。
 
parkERs「今後わたしたちに期待することがあればぜひお聞かせください。」
 
鈴木さん「僕たちは、今後もみなさんだったりエンドユーザーさんに喜ばれるものを作っていきたいと思っています。なので『こんな形のものつくれない?』とか、『この前入れたこの植物が良かったんだけど似たようなもの増やせる?』というような意見をparkERsからもどんどん頂けたらなと。できる限り応えたいという気持ちでやっています。」
 
新しく植物の業界に入った鈴木さんの頑張りを聞いて、自分たちがその期待を背負って、生産者とお客様を繋げていかなければと、使命を感じられる貴重な時間を過ごすことができました。


・最後は「泰東園」へ

泰東園を営む、古内さん(通称:タイさん)

泰東園は、千葉県山武市の地でつる性ガジュマル、プミラ、ウンベラータなどを中心に豊富な種類の植物を栽培している点が特徴。
素敵な笑顔で迎えてくれたタイさんも、parkERsと長くお付き合いいただいている生産者の1人。久しぶりの再会に積もる話もありつつ、早速ハウスの中を案内してもらいました。
 
まず入って驚いたのはその植物の種類の多さ!
二段の棚に所狭しと鉢が並んでいる姿に、何か掘り出し物が見つかりそう!と宝探しをしている気分でワクワクしながら見学しました。
 
「お客さんの要望に応えていろいろ育てていたら、結果的に種類たくさん増えちゃったんだよね〜。」タイさんは苦笑いをしながらそう話していましたが、これだけの数と種類を年中育てていることがまずすごいのです。

個々の質問にも丁寧に答えてくれました

元々タイさんには、parkERsが立ち上がって間もない頃から、私たちのチームの核であるコンセプト『育てるメンテナンス』をどう実現していくか、という点で植物の管理方法をよく相談させてもらっていました。
 
生産者としてただ販売する、卸す、の関係ではなく、植物を育てていく者として同じ目線で議論を交わしてくれる、とても熱意のある方です。

「若い人久々に見たわぁ!」と気さくなスタッフさん

そんなタイさんも近頃大きな課題だと感じているのは『後継ぎ』の問題。
 
「今は家族経営でやりながらベテランスタッフさんも数名いるから水やったり定型業務は一任できている状況ではあるけど、今後働き手不足になるのは目に見えているから考えていかないとだよね。」
これは泰東園に限らず、どこも人不足となっているのが現状なのです。

帰り際、植物に付いてるイグアナのキャラクターのタグを見たメンバーがそのことに触れると、タイさんは「『なんかかわいい〜』って少しでも目を留めてもらいたくて。これかわいいでしょ?」と少し照れながら他の絵柄のタグも見せてくれました。
 
些細な事でも外の人たちからどう興味を持ってもらうか。自分たちなりに工夫して小さなことでも真摯に取り組むことを怠ってはならないな、と大事なことに気づけた会話でした。

***

若い世代が植物業界に挑戦してみたいと感じ、足を踏み入れてもらうには。
 
parkERsグリーンライフチームの平均年齢は30代前半。業界全体で見ると圧倒的に若い世代であり、まさに第一線となってその問いに向き合っていかなければならないと感じました。
 

まとめ

今回の産地訪問では、植物の育て方や生産現場での具体的な取り組みについて、貴重な知識を直接伝授していただく機会に恵まれました。
 
こうした貴重なつながりをこれからも大切に育み、互いに支え合いながら、植物が持つ魅力やその可能性をさらに広げていけるよう、日々お客様に植物のもつ魅力や与える力を伝えていきたいと思います。


ジャンプ姿にも個性が溢れるメンバーたち!


parkERsのグリーンライフ室では、植物の業界を一緒に盛り上げてくれる新しいメンバーを募集中です!
植物のある空間で過ごすここちよさを、世の中に一緒に広めませんか。

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parkERsで募集しているその他の職種は以下から。


取材日 :2024年10月
取材・文:市野澤・嶌田
撮影  :天野