台北でひとり ⑥ 『何をやっているんだ俺は』
次に向かったのは『寶蔵巌国際芸術村』。昔は200世帯、400人くらいが住んでいたという川辺の村が、今では空き家を使ってアーティストインレジデンス(作家がその土地に暮らしながら制作を行える場所)になっています。もちろんまだ村のひとも住んでいるので立ち入り禁止の居住エリアもあり。知らずに入ってしまったものでそうそうに警備員さんに怒られるなど。
写真ではなかなか伝わりづらいのですが、石造りの古い家屋がかなり密集し、入り組んでいます。
時々、家屋と家屋のあいだに石段があったり、これは確かに尾道のような真鶴のような。
GALLERY やショップなど、中に入れる空間は『OPEN』となっており、製作中のアトリエや休館中のショップは『CLOSE』となってるので、ひとつひとつ確認しながら入って行く感じです。平日ということもあって閉まっていたところが多く残念。
とはいえ村を散歩するだけでも俄然アート。階段を登ったりおりたり。
本屋さんがあったので入ってみました。
PARK GALLERY で取り扱ったことのある台湾の友人の ZINE が売られていたということもあって、思い切って店員さんにエクスキューズしてみる。
まったく通じない。
ただ想いは届くものですね。PARK GALLERY のオススメの作家のグッズや本であれば、取り扱いの検討をしてくれるそうなので、台北で作品を展開したい作家の方いらっしゃったらお声がけください。
土日に行くとショップなんかもたくさん開いててもっと賑やかだそうです。
ただ、やはりその瞬間の感動を誰とも共感できないというのは寂しいですね。その後、なんだかやりきれない気持ちになり近所のカフェに入って休憩しながら、さっき連絡先を交換したブックストアの子にふと LINE してみたりなんかして、返事が来たりなんかして浮かれたりなんかして楽しんだりなんかして、37歳バツイチまったく台湾にまで来て『何をやっているんだ俺は』という感じで思い返って、再び台北の街を力強く歩き出すのです。
そして、ここに来て現金が底をつく。ピンチです。
台北でひとり。つらみ。