個展 『AFTER DARK』 に向けて WOWs™ さんにいろいろ聞いてみた✌️
—— 今回の『AFTER DARK』に並ぶ作品について改めて教えてください。
今回展示させていただくアナログ作品は、今まで描いたデジタル作品のエスキースとして描いた作品やデジタル作品を再構築した作品、ドローイングの延長線上の作品などバラエティ豊かです。その中でも、画材が違ったり少しテーマが違ったりと(例えば AI になりきって描いた作品など)色々と観て楽しんでいただけると思います。僕はデジタルとアナログの境界みたいなものをあまり感じていないのですが、とことん完成まで煮詰めるデジタルに対して、どこでやめるか?で勝負が決まるアナログ作品ならではの良さがやはりあるなと改めて感じました。
デジタル作品については、今回の個展用に描き下ろしたものがほとんどです。基本的には自分の中にあるもので描くスタイルのため、過去に通ってきたカルチャーやモチーフをサンプリングしてコラージュの様に制作することが多いです。最近あるミュージシャンが「オリジナルはレプリカの来歴から生まれる」みたいなことを言っていて、僕自身も来歴を重ねている真っ只中なのかも?と思ったりしています。
また、デジタル作品でいうと、パーク加藤さんからのアドバイスもあり、ゼロックスのレーザープリンタ(知り合いの会社をまわってみたものの、結局セブンイレブンが一番しっくりきた)を使って印刷した作品も数点あります。出来上がってみると少し本来の趣旨と違ってしまった感はありますが …何をもってして僕の作品なのか?の概念を拡張するような作品で、個人的にはつくってよかったなと思っています。
バラバラに見えて実はまとまっている、という実に人間らしい展示になりそうです。
—— WOWs™ さんがイラストレーターとして活動する上で、一番大切にしていることや、作家としてのスタンスを教えてください。
誰もがわかるトピックやモチーフや風景を、誰も見た事ないものにするのを目標に制作しています(できているかはさておき…)。名前が売れなくてもいいので長く作家でいたいというスタンスです。
—— 社会の動向などを取り入れたメッセージ性の強い作品が印象的です。常に意識していることなどはありますか?
SNS から入ってくる情報は良くも悪くも常に意識しているかもしれません。
—— モノトーンで描き続ける理由はなんですか?
子どもの頃、宗教的な理由でテレビや漫画を全く見させてもらえていない時期があったのですが、なぜかオールドカートゥーン(版権が切れたモノクロのディズニー映画など)は観ても OK な家で、その影響が結構大きい気がします。また、単純に色が無くてもかっこいいと思っているのと、極度のめんどうくさがりというのあると思います。
—— 日々作品を生み出している印象のあるWOWs™ さん。創作によって燃焼したエネルギーを回復させる方法があれば教えてください。
どちらかというとものを作ることでエネルギーを回復してますね。デザイン関係の仕事で燃焼したエネルギーを作品づくりで回復させているイメージです。どちらもうまくいかない時は、YouTube で海外の軍人が家族にサプライズで会いに行くシリーズをリピートして観てます。
—— WOWs™ さんご自身はどんな性格・キャラクターですか?
何を考えているかわからないと良く言われます。中2の夏にど田舎の学校に転校してヒドい目(いじめとかではないんですが)にあって以来、世界を俯瞰的な視点で見る癖がついてしまい、ずっとふわふわしている気がします。あの頃はたぶん三人称で自分を捉えないと耐えられなかったんだと⋯。ただ悲観ではないです。諦めというかなんというか。あとは強めの方向音痴です(笑)。
—— 影響を受けた人物もしくは、作家やアーティストに関わらず、影響を受けた言葉、作品、現象、事件などがあれば伺いたいです。
先ほどの質問でも回答したオールドカートゥーン(モノクロアニメ)を筆頭に、写真家のエドワード・スタイケン、ソニック・ユースやブラック・フラッグのアートワークでも有名なレイモンド・ペティボン、イラストレーターのガイ・ビルアウト、エイドリアン・トミーネ etc … とかキリがないくらい影響を受けています。
特にエドワード・スタイケンの『The First Picture Book』の佇まいは意識してます。ダビデの詩篇「昼は昼に語り伝え / 夜は夜に知識を送る」という言葉も好きです。これもモノクロームで制作する理由の一つかもしれません。
今回の『AFTER DARK』にも通じますが。
あとここ数年は「家主」というバンドの曲をずっと聴いてます。スタンス含めて大好きですね。媚びないけど抗わないみたいな。僕にはこの抗わないが足りない。
—— WOWs™ さんが世の中へ対して感じていることや考えていること、関心があることなど、伺いたいです。
「一人でも楽しく生きていける」みたいな流れになっていますが、むしろどんどん人に頼っていかないと生きていけない時代になってきている気がします。そんな世界で生きていくためにも、少しでも他者に寄り添える絵を描いてみたいです。
たとえば音楽みたいな。
今はひたすらかっこいいと思うものを描いてるだけなので。あと活動を始めてから本当にクレイジーな作家さんがいっぱいるので、そういった人をお誘いしてグループ展をするのが近々の目標というか関心ごとです。
—— WOWs™ さん自身の言葉で今回の展示の見所、オススメの作品、ポイントなどがあれば教えてください。
コロナ禍の終わりごろから、虚空に石を投げるのかように SNS にデータをアップしてきました。そんな自分自身との対話のような作品たちを、きっかけをつくってくれたパークギャラリーでたくさん見ていただけることがとても嬉しいです。 作品ごとにテーマやタッチも色々ですが、会場全体で楽しんでいただけたら嬉しいです。そしていろんな人とお話したいです。作品と対話を通した共感の先に、少しでもハッピーな道筋が見つかることを願ってます。
ありがとうございました!
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