issue 29 「筋肉ムキムキ、 HYPER ウルトラ MEGA パンク!」 by ivy
大英帝国の筋肉野郎、
マッスルフーリガン、
マッスルグレートブリテン、
暴走ヘラクレス …
そして、『HYPER ウルトラ MEGA パンク』!
あっ、B級映画のタイトルじゃないよ!全部、実在する同一人物のことなんだ。彼の名は『ジェームス・トンプソン』、イギリスの総合格闘家。
小学生の頃から格闘技ファンの私が夢中になった選手なんだけど、まだダラダラと現役を続けている。今改めて見てもなんとも応援したくなる、いいキャラの持ち主だ。コロナ明け、また日本でも試合を見られるように願いを込めて、今日はそんなジェームスについて。
ジェームスといえば、ヘラクレスのような筋肉、身長196cmの巨体、彫刻のように彫りが深い顔立ちが特徴。そして、試合前は興奮して奇声を発したり、体がプルプル震わせたりしながらアイドリング。開始のゴングと共に力任せに突進し、そのまま勢いで殴り倒すか、逆にスタミナ切れで袋叩きに合うかを毎回繰り返すという芸風 … いや、ファイトスタイルの持ち主。
勝っても負けてもわかりやすさの塊なので、昔フジテレビで中継していた PRIDE でも、かなりの人気だった。私も小学生の頃好きだった選手の一人だし、当時格闘技を見ていた人なら、ああ、って思い出すはず。
さてさて…当時ですら勝ったり負けたりの繰り返しで、お世辞にもトップ選手とはいえないジェームスだけど、実は現役続行中。相変わらず、勝ったり負けたり …。
そんなジェームス、体格は相変わらずのムキムキボディ、さすがに顔は老けてきたし、坊主頭は白髪混じりだけど、ひと目で彼とわかる。ふと気づいたのは、ああ彼、モッズコート似合うなあ、と。
ヘアスタイルは坊主頭か、真っ赤なモヒカンスタイル、ノーガードの突撃戦法、マッチョな体躯、そう、他でもなく彼は素で、パンク大好きなフーリガンなのだ!
やけに既視感があるなあと思ったら、ロンドンの場末にあるライブハウスやパブにいた、現地のサッカーで騒いでるお兄ちゃんそのまんま。
プロレスとか格闘技でいう選手のキャラって、結構演出側が勝手につけたものが多い。ブッチャーが縁もゆかりもないアフリカ出身キャラだったり、K-1 のブアカーオが妹の学費をファイトマネーで稼いでるキャラだけど裕福な家庭の出身だったり …。
キャラが素な上にファイトスタイルまでそのまんまな選手、なかなかいないでしょ。
ふと思い立って、最近、ジェームスのツイッターを見てみた。何してるかな、試合決まってるのかな、程度。練習の様子でも載せてんのかな、って。
ものの見事に政治ネタばかりツイートしていて…彼なりに抱いた怒りを試合で表現してたんだなあ、と。
今日も明日も、きっとジェームスは、パンクだッ!次は RIZIN で、入場にはサッカーマフラーとモッズコートを着て、曲は『Chaos U.K.』 あたりで入場して欲しいなあ …。
出てこいやあッ!
ivy(アイビー)
会社員で物書き、サブカルクソメガネ。
自己満 ZINE 製作や某 WEB メディアでのライターとしても活動。
創り手と語り手、受け手の壁をなくし、ご近所付き合いのように交流するイベント「NEIGHBORS」主催。
日々出会ったヒト・モノ・コトが持つ意味やその物語を勝手に紐解いて、タラタラと書いています。日常の中の非日常、私にとっての非常識が常識の世界、そんな出会いが溢れる毎日に、乾杯ッ!
https://www.instagram.com/ivy.bayside
イラスト:あんずひつじ
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