しまはらゆうき 個展 『これは、うまいみそ汁だ。展』 インタビュー
パークギャラリーで10月20日(水)から10月31日(日)まで、個展『これは、うまいみそ汁だ。展』を開催しているイラストレーターのしまはらゆうきさんへのインタビューです。会期中は基本的に日中はしまはらさんが在廊しているので、インタビューを読んで「もっと知りたくなった」という人はぜひ会場へ足をお運びください。タイミングが合わない!という方は、ご意見をコメント欄や DM でも受け付けています。気軽にお声がけください。
—— 簡単に自己紹介をお願いします。
イギリスの大学院を卒業後、2015年よりフリーのイラストレーターとして活動を開始しました。幾何学的な形と動きのある線を組み合わせ、主に食にまつわるイラストを制作しています。
—— モチーフによく食べ物やお酒が登場しますが、何かきっかけやご自身の中で一貫したテーマがあったりしますか?
イギリス(ロンドン)に住んでいた時に、日本食が恋しすぎて、どんどん作品に食べ物が登場するようになりました。今回の展示では、それに加えてコロナ禍での影響があったり、個人的に妊娠・出産の時期を経たので、大好きなお酒が飲めない日々が続いたこともあって、お酒にまつわる絵が多くなりました。
—— 海外での経験は何か創作に影響していますか?
前述の通り、食べ物を描くことに固執し出したのは、ロンドンで食に飢えていたことが大いに影響していると思います(笑)
あとはアルファベットでロゴを作ったり文字をデザインしてイラストに取り入れるようになりました。その結果、日本語も、言葉としてだけではなく形として捉える感覚を養えた気がします。色の配色に関しても「海外っぽいね」とおっしゃっていただくことが多いので、ロンドンで見てきたものが生きているのかなと思います。
—— 確かに。イラストの中に描かれた文字も印象的です。
ありがとうございます。
自分の書く文字が嫌いだったり、タイポグラフィをあまり勉強してこなかったので苦手意識がすごくあったのですが、ここ数年、興味が湧いて練習するようになりました。
—— 2019年にパークで開催した初の個展『ダダダだってだって大冒険』と今回の個展での変化、違いなどはありますか?
前回展示した作品は、ただただモチーフや形が面白いと思うものを組み合わせてできたイラストが多く、私の個人的な思い出などは特に盛り込まれていませんでした。今回は、2年経ったということもありますが、もう少し自分の経験したことや感情を作品に取り込んでも良いかなと思うようになり、そういった情感をどう表現するかが制作の上で1つのテーマでした。そのせいか、今回は前回よりもアナログ作品が増えたかなと思います。
—— 今回の個展の内容、見どころを聞かせてください。
いろいろな画材を使って、温度や賑やかさ、心象を表現しようと挑戦したので、実際に会場で作品を見ていただいてそれぞれの違いを感じてもらえればうれしいです。
また、以前よりも、イラストに登場している人物のキャラクターやストーリーを意識して、どんな髪型や服装、表情がふさわしいか悩みながら書いたので、そういった細かいところも感じ取っていただけるとより楽しめるかなと思います!
—— しまはらさん、ありがとうございました。
—— PARK GALLERYより
2年ぶりのしまはらゆうきさんの個展。SNS で見るよりも、原画やリソグラフを近くで見た時の、空気感や温度、湿度の迫力がすごいので、ぜひこの週末に予定を合わせて見にきていただけるとうれしいです。肌寒くなってきたので、あたたかい気持ちになれるかと思います。会場に来れないという方はぜひオンラインで買い物などお楽しみください。
しまはらゆうき
1988年 大阪市生まれ、東京都在住。
イギリスの大学院を卒業後、2015年よりフリーのイラストレーターとして活動を開始。幾何学的な形と動きのある線を組み合わせ、主に食にまつわるイラストを制作。2020年 ザ・チョイス入選(佐々木俊選)
https://www.instagram.com/yuki_shimahara
https://twitter.com/CoenYuki