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【 ZINE REVIEW 】 COLLECTIVE エントリー ⑰ 春山 拓思 『PLANET OF THE FIGURE』(千葉県浦安市)

COLLECTIVE の参加者の中には、はじめましての人も多いけれど、普段から PARK GALLERY に足を運んでくれる作家さんも参加してくれて、特にうれしく思います。ZINE というメディアを通じて、最新の創作が見られる喜び。1冊の本にする時に、この人はこういう風な編集をするんだという発見があります。それにこうしてまたレビューし、意見を広くかわし、それぞれの糧になればと本当に思います。

なるべく、この COLLECTIVE で知り合った、連絡を取り合ったひとたちとは会期以降も、展示や ZINE の取り扱いなどでお付き合いしていきたいなと思っていますので、みなさまどうぞよろしくお願いします。

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ドローイングによる音楽アルバム、ドキュメント。

音楽って、描けるんだ。

千葉県からエントリーしてくれたイラストレーターの 春山 拓思(ひろし)さんも、2018年の COLLECTIVE がきっかけで仲良くなった作家さんの1人。過去の2回の COLLECTIVE にも参加。他にもパークで開催されるグループ展や企画展などに参加。同世代ということもあり、春山さんの作品が個人的に好きで、いくつか作品も所有させてもらっている。見てるだけで優しく、楽しく、明るくなれる。会った人みんなが口をそろえていう気がするけれど、春山さんの人柄そのままだ。

春山さんの作品には一貫して、自身が好きな『音楽』がルーツにある。具体的にギターやバンド名などが描かれていることもあれば、抽象的に描いていることもあるんだけれど、一貫しているのは音楽に流れている『メロディ』とか『フロウ』が、線になっているという点。今回届いた ZINE『PLANET OF THE FIGURE』は、春山さんのイラストが掲載された画集ともいえる ZINE。まるで楽譜のようだなと思った。五線譜と音符に頼らない新感覚の譜面。絵をみてるだけで頭の中に、メロディだけじゃなく、ギターの音とかパーカッションの音とかが聞こえてくる。「ドローイングによる音楽アルバム・ドキュメント」と本人は言うが、まさに。音楽って、描けるんだ(過去3冊でもっとも音が可視化されている作品だと思う)。

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ヘッドフォンでスピーカーで、好きな音楽を流して、その時の感動や気持ち良さを、邪念なく筆に伝え、迷いなく走らせる。頭の中の線をなぞるというよりも、きっと手を動かしているうちに生まれているにちがいない。そのくらい(子どもみたいなと言ったらチープだけれど)純度の高い線や面が浮かび上がってる。鼻歌が聞こえてきそうな1冊。モノクロなのに鮮やかな1冊。写真ではなかなか伝わりづらいですが、ぬくもりのある藁半紙も GOOD !

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音楽好きはもちろん、フィリップ・ワイズベッカー的なミニマルなイラストが好きなひとはぜひ、という感じです。


レビュー by 加藤 淳也(PARK GALLERY)


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作家名:春山 拓思(千葉県浦安市)
静岡県生まれ、千葉県育ち。
好きな音楽のアートワークとTシャツに憧れてイラストレーターの活動をはじめる。シンガーソングライター気分で絵を日々レコーディング中。
https://www.instagram.com/hiroshi_haruyama
【 街の魅力 】
海が近いこと
【 街のオススメ 】
① 浦安市図書館 ... 沢山の本に出会えます 。
http://library.city.urayasu.chiba.jp

② 泉銀 ... フィッシュロックバンド「漁港」森田釣竿船長がやっている魚屋さんです。
http://www.gyoko.com

③ 海の見える公園がある ... 人が少ないときに歩くと心が落ち着きます。
【 同じ地域で活動するひと 】
森田釣竿船長 / フィッシュロックバンド「漁港」包丁ボーカル
https://twitter.com/tsurizaomorita

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