EVERYTHING FLOWS #25 by illustrator はるやまひろし
—— 今のうちに聞いておいたほうがいい。人気が出るとか評価がどうとか、そういうんじゃないよ。
絵を描くことを音楽で言う『レコーディング』と称するイラストレーター・はるやまひろしによる、日々のドローイングイラストの記録(REC)を毎週紹介していきます。ライブハウスに貼りだされているチラシのようなイメージで、音楽やバンド、あらゆるサウンドからインスパイアされた、妄想爆発のアートワークが日々描かれていきます。音楽への愛が溢れるテキストと合わせてお楽しみください。
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2021.10.06(WED)
ARTIST - MOURN
SONG - YOUR BRAIN IS MADE OF CANDY
MOURN
スペイン・バルセロナを拠点とするガレージロック / ポストパンク・バンド。1996年生まれのカーラ(vo/g)とジャズ(vo/g)を中心に2013年に始動。その後アントニオ(ds)(3rd アルバム時まで)、ジャズの妹のレイア(b)の4名。4名体制となり2014年に『Mourn』でアルバム・デビュー。同作は翌年に米・ニューヨークの名門レーベル〈キャプチャード・トラックス〉からも発表。2016年に2nd『Ha・Ha・He』、2018年に3rd『Sopresa Familia』、2020年に4th『Self Worth』を発表。
なにもかもがパンパンに詰まっている。
青い。
音楽も衝動も苛立ちも若さも。
今までにリリースした4枚のアルバムどれもがそう。
今のうちに聞いておいたほうがいい。人気が出るとか評価がどうとか、そういうんじゃないよ。
やっているジャンルは所謂ポストパンクと呼ばれるジャンルで、珍しい音楽ではないけど、なんだろう?パンクという音とジャンルが必然の出会いであるとでもいうように、激しい音もシャウトもノイズも清々しいくらいに自然体だ。
1st アルバムはメンバーが15~18歳でのデビューで、NY の名門レーベル所属で3ピースのガールズパンクバンド(3rdアルバムまではボーイもいて4人組)。なかなかニューストピックも多い MOURN。その全てが重要だけど、ゴシップなんて必要ない。
彼女達の音楽を聴くと、そんなことやあんなことは吹き飛ばされる。
ダークで、鋭くて、苛立っていて、カッコいいんだよ。
明日には重い雲が無くなって晴れそうな気がする。
ここには今しか聞けない音がある。過渡期にはあるけど、まだ遅くはない。
お気に入りのバンドじゃなくたっていいから是非聞いてほしい。
MOURN の音楽には心に秘めたような衝動がある。
彼女達には、この音と色じゃなきゃいけない何かがあるんだろうな。
*
Album - Mourn
Song - Your brain is made of candy
1st アルバムの1曲目から。大きな音を出すだけじゃなく、何かを抱えていたり秘めていたりする Mourn の存在が際立つ名曲だとおもう。歌い手としてもすごい。ラモーンズのティーシャツも似合ってる。
Album - Ha・Ha・He
Song - Gertrudis, Get Through This!
2nd アルバムから。モノクロームのモーンはカッコいい。どの曲も演奏がタイトで痺れる。
Album - Sopresa Familia
Song - Fun At The Geysers
3rd アルバムを最後に1人男子のアントニオ(ds)が抜ける。演奏でも息が合っていたけどね。英米では無いようなノリが楽しい曲。このアルバムあたりから曲の幅が広くなってきた気がする。
Album - Self Worth
Song - Men
4th アルバムから。3ピースで再出発。服装のカラフルさに合わせるように、さらに曲の幅も広がった。3rd もそうなんだけど明るい PV は一面としてナイス。それでもアルバム単位で聴くと、衝動もアングリーも若さも詰まっている根っこは変わらずで素敵です。
次回もお楽しみに〜!
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はるやまひろし
静岡県生まれ、千葉県育ち。
好きな音楽のアートワークとTシャツに憧れてイラストレーターの活動をはじめる。シンガーソングライター気分で絵を日々レコーディング中。
https://www.instagram.com/hiroshi_haruyama