猫背で小声 | 第26話 | 友達同好会
さて、前回まで3回シリーズでお送りした『旅』シリーズですが、「文章の量が長い」ということで、今回は毛量少なめ文章少なめでいきたいと思います。
読みやすさ自分ファーストより、読者ファースト。
歳を重ねた女帝に好かれがち、猫背の近藤が執筆致します。
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さて、旅をしている間に就職が決まりました。
通信会社の事務として働くことになります。
担当する業務は「ガラケーの使用状況を確認し、使われていないことが確認できたらガラケーに穴あけをし、廃棄会社へ送付する」とういう業務です。文章でうまく説明するのは難しいですが、やっとこさ入社が決まった環境です。一生懸命業務を行なっていました。
通信会社ということでガラケーやスマホが全国からジャンジャンバリバリ、パチンコの当たりが出たかのように送られてくるのです。送られてくる端末が多すぎて『777』スリーセブン !!
…という気持ちには嘘でもなれませんでしたが、淡々と時に楽しく業務に取り組んでいました。
人間なにかに楽しく取り組んでいると、不思議と『ご褒美』というものが与えられます。天からのギフトというわけではないでしょうが、社内で、ある人と親しくなりました。
20代半ばの『山本くん』。
彼は顔もカッコよく性格も正直で、とにかく嘘を言わない人でした。恋人がいるということも「ステキやん」という感じです。
ぼくといえば、顔は寝ぼけた阿部寛で、性格は優柔不断、相手の顔を伺いながら話をする節があります。山本くんはぼくと真反対で、まわりに敵を作ることになろうとも自分の考えを貫き通します。
ここで質問。
山本くんのようなはっきりとした男と、ぼくのようなハッキリしない男、
どちらと付き合いたいでしょうか?
たぶんぼくが女性なら山本くんと付き合いたいと思うでしょう。
こんなに答えがハッキリ出せているのに、まだ山本くんに近づけていない、ある部分では成長しきれていない、生き方に窮屈さを感じるイマムカシ。どんな質問だったんだよ、という感じですが、とにかく社内やプライベートでも彼の存在が大きかったのです。
彼の抱えている障がいは学習障害で文字の読み書きが上手にできない *ディスレクシア というものです。
ディスレクシア
学習障害の一種で、知的能力および一般的な理解能力などに特に異常がないにもかかわらず、文字の読み書き学習に著しい困難を抱える障害である。 失読症、難読症、識字障害、(特異的)読字障害、読み書き障害、とも訳される。(引用:Wikipedia)
トム・クルーズやアインシュタインも同じ障がいです。
彼は字を上手に書けないながらも、人としての力強さがありました。深くは聞けてはいないですが、たぶん幼い頃からこの症状のせいで苦しい思いや辛い思いもしたのでしょう。でもその苦しさや辛さを感じさせない、たくましい人間性が近くにいて感じ取れます。
ぼくの方といえば精神的にも未熟で、幼い頃から不登校で人間関係を遮断して大人になるまで過ごしてしまいました。社会に出だし、リワーク施設で発見したことなのですが、ぼくが仲良くなりたいなと思う人、仲良くなる人は自分より「精神的に大人」だということに気づいたのです。
長いあいだ社会に出ていなかったことで、無意識に「大人」に憧れていることや、大人になれていない自分が嫌だ、ということにも気付かされます。精神年齢が低い人と接してもどうせ疲れさせると思って、不思議と関係をシャットダウンしてしまいます。
多分、山本くんを大人だと感じたことや、障がいを持っている人同士ということで、自分の中でも正直に「この人と仲良くなりたいな」と感じたのかもしれません。
「たぶん細胞レベルの恋やねん ❤️」
アンミカが言いそうですが、彼への思いはこんな感じです。
こんな想いを伝えれば「なんじゃこの変態 !! 」と、思われてしまうでしょうが、安心してください。彼もぼくもいろんな面で変態気質があるということで、これからもひとりひとりの人間としていつまでもつながっていき、苦しい時もお互い支え合っていきましょう。
ある意味、転機の山本くんへ。
ある意味転機のあなたの「FAN」より。
近藤 学 | MANABU KONDO
1980年生まれ。会社員。
キャッチコピーコンペ「宣伝会議賞」2次審査通過者。
オトナシクモノシズカ だが頭の中で考えていることは雄弁である。
雄弁、多弁、早弁、こんな人になりたい。
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