issue 49 「平日に余白が欲しいとき、『ルッテン』のドアを押す」 by ivy
家から歩いてすぐの場所に、面白い店がある。たまたま知り合った人に教えられて行ってみたのが『ルッテン』との出会い。
眼鏡と珈琲とクラフトレモンサワーのお店で、店名が格闘技ネタで、家から徒歩3分。一体どういうことなんだ。なんの運命だよ、ってくらい、私が好きなものの詰め合わせ。
初めてその扉を開けてから、もうすぐ2年。ちょくちょく足を運びつつ、素敵な友人知人も紹介していただき、お気に入りの場所になっている。
一番好きなのは、やっぱり家から近いこと。PARK GALLERYへ週末の日が暮れる頃、行くように、『ルッテン』へ足が向くときにも規則性がある。平日の夜、仕事も家事も終えて、あとは寝るだけ、ってタイミングで行くのが一番いい。
壁一面に眼鏡がずらりと並んで、木のインテリアと落ち着いた照明、そしてオーナー荒岡さんの柔和な声。これだけでなんなら自分の部屋より落ち着く。夜だから、注文はお酒にしよう。
最近のお気に入りは、バーボンレモンサワー。レモンをバーボンに漬け込んだリキュールで作るらしい。じんわりと皮の苦味を感じる、深みのある味わい。バーボンのコクがほろ苦さとマッチして、あとから爽やかな香りが華やかに鼻腔を抜けていく…。
あまり酒には強くないから。飲み過ぎには気をつけたい。むしろ、じっくり時間をかけて呑もうか。一日の最後を飾る大切な一杯だから。
好きなものに囲まれて、他愛もない話をしながらお酒を呑む。別に家が近くなくたって、来たくなってしまうよね。そんな場所だ。
東京の東側にご縁があるなら、覚えておいて損はないお店。もしよかったら、行ってみて。美味しいお酒が呑みたいとき、珈琲で一息つきたいとき。あとは、素敵な眼鏡を見たいとき。
イラスト:あんずひつじ
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