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妄想絵日記の木川田みりです #12 | 2/3(土)

アキ・カウリスマキの「枯葉」という映画を観た。

映画自体は素晴らしかったし、何よりも劇中歌に心を奪われた。その曲名を調べてみると、「悲しみに生まれ、失望を身にまとう」という意味だという。フィンランド語の歌詞なので訳を見ないと理解できないが、どこか悲しげであることは曲調からも、歌っている彼女たちの表情からも伝わってくる。

悲しげに振る舞うということについて考える。

以前から「悲しい時でも笑うべきだ」と信じ込みがちであった。それが何となくカッコよくて、自己満足に浸れる気がした。しかし、この映画の登場人物たちよりも悲しく、気だるく、残念な曲調を聞いていると、逆に心が軽くなってくる。そうか、私は悲しくて、楽しくて、やる気がないのかもしれない。

そんなことを考えていたらお腹が減ってきた。ポケットから失望を取り出して、少し齧(かじ)ってみた。

ー 木川田みり


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木川田みり(きかわだみり)
1996年生まれ。東京都在住。作家、イラストレーター、UIUX デザイナーとして活動中。2022年に初の個展『熱いお湯で洗濯したら縮んじゃった』を開催。近年は、触れ合った言葉から妄想を繰り広げた「妄想絵日記」を日々手にする「レシート」の裏に描き、instagram や X にて毎日更新している。
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