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#07 「キャリアを感じさせない2人」

現在開催中の THE BEST 展。20人の作家の設営のプロセスと作品の紹介をしています。今日で7回目。残すところあと4人。

さて、後半に残る作品はどういう作品かというと、比較的「安心してどこにでも飾れる」ことが多いです。どの部屋にも似合う、とか、どこともバッティングしない、とか。とは言えちゃんと個性的で見る人の感覚に寄らない、つまり全体的にバランスが取れている<デザイン的>な作品を、後半に残すことが多いです。そういう作品たちは、然るべき場所に磁石のように置かれていきます。後半戦で確実に点を決めてくるヤツ、的な。

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今日は、グラフィカルなイラストが印象的なアーティストの rinako さん。そして、去年の THE BEST 展に続いて2度目の参加で、成長をみせてくれる Hayata くんの作品を紹介します。

新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言で、全国的にも様々なイベントが中止になり、美術館や博物館はストップ。もちろん他聞にもれず、パークギャラリーも営業停止に追い込まれました。けれど、ぼくらはもともと赤字でヒーヒー言ってましたし、ただでさえ渋谷や表参道、吉祥寺などから比べて土地的にも不利な場所にあると思ってたんで、得意の<アイデア>で乗り越えるしかないね、とはじめたのが、GIFTED という企画。クリエイター・アーティストの<創作>という『アクション』を止めないために、ポストカードのアートワークを様々なアーティストに発注して、オンラインで作品の発信と販売を行いました。協力してくれたみんなのおかげで閉業中の家賃くらいは払うことができました。感謝(チラッとのぞいてみてください)。

この GIFTED の企画に賛同し、「協力したい」と声をかけてくれたのが、今回も参加してくれてる rinako さんでした。海外生活をはじめたきっかけに絵をはじめたという rinako さんの作品を見るのは、その時がはじめてだったんですが、コロナ禍で、異国の空気漂う世界に、うっとりしたのを覚えています。旅先から届いた絵はがきのような、そんな作品を提供いただきました 👉 https://parkgifted.thebase.in/categories/2603296


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今回、作品が届いて、僕が個人的に納得したのは、rinako さんの絵の世界観に共通する『太陽』の存在。無意識かどうかはわからないのですが、過去の多くの作品に『太陽』の存在を感じることができて、ぼくはその力に惹かれていたのだと思います。被写体に落ちる影、窓辺のあかり、こんがり焼けた肌、埃かぶった地平線。その全てが実は太陽の描写なのだと思います。この絵に描かれているのは広大な地平線でも、かっこいいクラシックカーでもなく、太陽の光を閉じ込めた空気なのかなと思います。実は制作の段階で太陽を消しているんですよね。それでもしっかり太陽の存在を感じることができる作品だなと思いました。

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映画『バグダッドカフェ』を彷彿させるドライでスモーキーな色彩感覚がすばらしいですね。インテリアとしてもとてもよいと思うので、アートを部屋に飾ってみたいというひとはぜひ。

rinako さん、2019年からアーティスト活動スタートというからすごいですね。👉 instagram


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同じく、2019年からイラストレーター活動をスタートとさせた Hayata 氏は、前回の THE BEST 2019 への参加が作家デビュー。パークで展示をして、のちに仕事が来た、という話はよくある話ですが、デビューしてすぐに仕事のオファーがあったというのは彼と unpis 。数年前から趣味で絵を描いて発表していたとは言え、彼の『描く力』はもちろんそうですが、『見る力』が評価されたのだと思った2019でした。

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去年の画風

すでに活躍しているイラストレーターとの『差別化』というか『隙間』に入ろうとする、ある種したたかな『観察力』と、絵が好きだという『FAN』な気持ち(もしくはアートコンプレックス?)が、彼の絵を、より個性的に、ポップに昇華させていきます。

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実はこのキャラクター路線ではまだ詰めが甘いのではないか、と個人的には思っていたのですが、たまたまテレビで『スポンジ・ボブ』のアニメがやっていて、やりきることが大事なんだなと思いました。そんな “やりきることの大事さ“ に向き合ってみたいなと思って、参加を決定。実際、丸いアクリルに描くというアイデアや、紙粘土作品など『やりきる』というベクトルを感じています。特に立体にした時にいいなと思えるのは、キャラクターとして可能性を感じます。

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このこの子たちの背景のストーリーや、線の太さと塗り面のバランスをもう少しこだわるともっとよくなると思いました。

rinako さんも、Hayata くんも、わずか1年と少しというキャリア。2021年の成長に期待ですね。


パークとしては、作家が望む限り、ずっとずっと寄り添いたいと思っています。ぼくでよければいつでもいくらでもアドバイスするし、店にくればスタッフの個性的な視点や感性にも触れれるし、知識に凝り固まっていない純度の高い意見も交わせる場所です。

展示が終わったら疎遠になってしまう人も中にはいるし、遠いと感じてくれる人もいるかもしれないけれど、オンラインでつながって距離なんて関係ない時代。来てくれるみんなのこと、アクセスしてくれる人はずっと大切にします。

引き続き、気軽に楽しみながらどうぞよろしくです。


パークギャラリーに居るひと
加藤淳也 👉 instagram

もっといいね!くれよバカ!

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