TARPノート 『2021.01.25』 by 半袖
2020年夏に刊行されたドローイング ZINE『TARP #01』より、参加作家による日記や写真、絵を更新していきます。現在 vol.2刊行に向けて準備中。
🛋
半袖です。
ゴッホもラッセンもそれなりに好き!
30〜40年前の話になります。
子どもの頃は、水木しげるの妖怪の本が大好きでした。
妖怪の他にも魔法とか、超科学とか、そういう人智を超えた世界や人ならぬものがどうやらもしかして存在しているのかもしれない、ということにワクワクして、妖怪の絵を描いたり遭遇した時に慌てないように妖怪への対処法などをたくさん覚えていたのに、成長して、世界には人間しか(言葉の通じるものは)いない(とされている)らしいということを知るにつれ、「フーン」という気持ちのまま、40代に突入してしまった。不惑とか「脂の乗りきった働き盛り」とか言われるし、プレッシャー半端ねー。やだよ〜〜〜。
あと、一人遊びが大好きでした。
厚紙にまんがのキャラクターや武器を描いて、ハサミで切り抜いて、それを手に持って動かして、セリフやストーリーなどを当てて戦いごっこをしたりしていました。友達の家に遊びに行っても、一人じゃないと一人遊びはできないので、漫画を読むかゲームの説明書を読むかの二者択一。当時はそれで楽しかったし別に幸せでした。
中学生くらいまで続けていたけど、ある時法事で親戚の家に行って、お坊さんのお経が終わって会食が始まって暇だったので、座敷から離れた廊下の隅で、持っていった紙の手裏剣で一人で忍者ごっこをしているところをその家のご主人にガッツリ見られて、まあ中学生にもなると薄々こういうのって多分ちょっと幼くて恥ずかしいことなのかもしれんな…と思っていたということもあり、「潮時だな」と思ってやめました。
「ガキーン!」「うぐっ!恐ろしい技よ…!」「ククク…」みたいなことを完全にゾーンに入って一人で喋っているところを大人(他人)にガッツリ見られたの、すごく恥ずかしかったです。
僕の頭の中にだけあった、あの混沌とした温かな世界。
大人になって、毎日の大半の時間は仕事とお金(とそれにまつわること)のことを考えて暮らしているのですが、そんなのおかしくない?
あの時間を、世界を、返してほしい。
誰に向けてというわけでもなくそう思ったりもするのですが、まあ本当はそんなことをもうあまり思ったりもしないのですが、たま〜に思い返すと、少し寂しい、不思議な気持ちになります。
あれ、俺いま、何をしてたんだろう…
早くこの必殺技を会得して、里のみんなの元に帰らなければならないというのに…! 俺は…!! 今月…!!
今月の売上が目標に届いていないから、営業のメールを送らなくちゃ。あと今月、45歳になるんだなあ。どんどん遠くなる記憶を、寂しさやせつなさを、絵を描いている時にはふと思い出したりします。
もう全然まとまらないぜ!! まとまらない気持ちを、そのままお届け。
画像は、今日ビリヤニを買ったお店の看板です。
by 半袖(2021.01.25)
半袖(はんそで)
2019年夏の Louiszona さんとの二人展「Promnerd」で活動を始めました。
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