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猫背で小声 | 第6話 |いずれのいずれ

悠々自適という表現からかけ離れた、自宅にこもる『おうち時間』を過ごしていましたが、どうも体調が悪いのです。

朝起きても気持ちが落ちこみますし、夜もなかなか寝れませんでした。

当時の記憶を思い出してみると、眠気があるのに頭の中が起きているという状態で、全く寝れない日々が3日間が続き、自分の中でも「変だぞ」と思い心療内科へ行きました。

統合失調症と診断されました。14歳の時です。

当時はネットなどもなく、この病気の情報があまりなかった世の中でした。
ぼく自身、心の病気ということは分かりますが統合失調症という正体の見えない不気味な病名にビビっていました。

薬をもらい、眠ることはできましたが、気持ちと身体がいうことをきかず具合が悪いので、ほぼ布団の中で寝ている状態に陥りました。この時は寝ていても具合が悪い状況で、この先どうなっちゃんうんだろうという気持ちに蝕まれました。病気からイジメをくらったような感じでもありました。辛いし事態が好転しない、八方塞がりな日々でした。気持ちが過敏になっているのか、あれほど楽しめていたテレビも鬱陶しくなり、1日中、目をつぶって布団を被る時間が続きました。

こんな時に考えるのはなにか? 

といえばマイナスなことばかりです。
布団の中で天井ばかり見ていたので、天井の模様が一瞬絵のように見えました。

こんな時にすることはなにか? 

20年近く経ったある日、絵を描きました。
昔、天井に見えた模様のような絵です。





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これをパークギャラリーの加藤さんに見せました。
「これいいね」と言われました。

人生に無駄なことはありません。

加藤さんから言われた、これいいね という言葉で、その天井ばかり見てた日々が少し肯定されたような気がしました。

後から気づくんですよね。
いいことって。


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近藤 学 |  MANABU KONDO
1980年生まれ。会社員。
キャッチコピーコンペ「宣伝会議賞」2次審査通過者。
オトナシクモノシズカ だが頭の中で考えていることは雄弁である。
雄弁、多弁、早弁、こんな人になりたい。
https://twitter.com/manyabuchan00
\ 次回も読んでくれるかな? /


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