妄想絵日記の木川田みりです #13 | 7/1(月)
印鑑を何回か押した。
印鑑が練朱肉に浸るたびに、そのねっとりとした感触が手に伝わる。
私は学生時代、陸上部に所属していた。そして砂浜練習が大の苦手だった。もがいても前に進めない感覚は、まるで氷上で滑って足掻くペンギンのようだった。ピアノを弾くように無秩序に筋肉を動かし、徒労感だけが募る。透明な壁に押し返されるような無力さを感じた。
大人になった今、私は朱肉練習をしている。朱肉を囲んだ鉄製の枠の中で、必死に足を動かし続けるのだ。この身体が前進しているかはさておき …。
ー 木川田みり
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