- lunar mare #03 - by 星野佑奈
先月、約3年ぶりに石川県の金沢、富山の地を訪れた。
行くことを決めたのは1週間前。
雪国は涼しいと勘違いした北陸で過ごした時間。
暑くて、風が強くて、私は負けそうになった。
滞在した二日間の時間はあっと言う間に過ぎた。
大事で楽しい時間ほどあっという間に過ぎる。
でも大事じゃない時間なんてあったっけなって思う。
旅の最後の時間、富山駅のサンマルクで寺尾さんと二人で話をしていた。
「旅行が好きなの?」と聞かれて、
「旅行っていうか、旅をしてしまうんです」と言うと、
「四柱推命で駅馬の星が出てるかもしれないね」と言われた。
「しちゅーすいめい」も、「えきば」も初めて聞いたので
私は?マーク。
漢字を教えてもらってノートに書く。
寺尾さんがすぐに調べてくれて「あー駅馬出てるね」と言われた。
私はやはり移動の星「駅馬」が出ていた。
自分の目の前のことを辿ってきただけのことなのに、
変えることのできない自分の生まれ持った星に踊らされてるよう。
目の前のことを必死でたぐってきたつもりだった。
でも結局生まれた星に左右されてしまうの?
それに忠実だったのかな。
嬉しいけど壊したいと思う。
今まで意識したことがないけど目には見えないものの
存在や力を意識するような出会いが最近は増えたように思う。
未だにおばけや幽霊は見えない。
大樹に触れてもなにも感じない。そろそろ何か感じたい。
自然のそばにいるのが心地がいい。
植物の上を這う蟻の姿をじっと見てしまう。
目の前にいる小さな生き物に意思があるのだろうか、個体それぞれに性格もあるんだろうか。
目的はなんだろうか、何の為にその動きを繰り返しているのだろうか。
植物を眺めてしまう。産毛に光が当たって輝いてる。
そういうのを見るとやはり美しいと思って、うっとりしてずっと眺めてたいと思う。
2022.7.16
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星野佑奈・写真展 『LUNAR MARE』 開催します。