【 ZINE REVIEW 】 COLLECTIVE エントリー (51) あかるい 『カフェ明星』(新潟県新潟市沼垂)
今日は日曜日。珍しく仕事も落ち着いていて、朝からサウナ。水風呂と外気浴のセットを繰り返しながら、もしお金のことを無視してパークギャラリーを1から作ることができるとしたらどういうお店にしたいか考えてみた。どのくらいの広さで、どういうデザインで、どういう什器が置かれてて、どういうものを展示したり、売ったりするのか。憧れのお店が特にあるわけではないので(強いてあげるとすれば台北の朋丁かな)、いろいろ考えてみたけれど、いまよりちょっと物販スペースが広いといいなとか、ZINE だけを扱った小部屋がほしいなとか、もっと大きな冷蔵庫がほしいなとか、3人くらい座れる大きなソファ、しかもバネが壊れてしまってるような安物を置きたいなとか。スパイスカレーや飲み物を充実させたいなとかっていう素朴な発想しかなかった。もともとギャラリーをやりたくて始めてるわけではないっていうのも大きいかもしれないけれど(レビュー㊶〜㊸を参考に)。いや、いまのサイズ、いまの感じ、結構気に入ってるっていうのもあるかもしれないな。
渋谷とか表参道や世田谷、吉祥寺とか、あの辺でやったらもう少し話題になったり人も来たりするんだろうけれど、東京の東で、2年に1度の御神輿を待ちわびながら、上野や湯島、神田や神保町、御徒町あたりでおいしいものをたらふく食べて、神田明神下の老舗の居酒屋でボトルキープしてある焼酎をチビチビと飲みながら、時々遊びに来てくれる仲間や作家さんたちと話す。発信する。ささいなことで喜んで、笑って、あまり欲張らず。奢らず、威張らず、目立たず、やさしいお店でありたいなと思ってる。
なんの話だっけ?
会期も残り少ないとセンチメンタルになりますね。COLLECTIVE、今日は少し静かです。
あなたが大切
新潟の沼垂(ぬったり)という地域から素敵な ZINE が届きました。“あかるい“さんによる ZINE『カフェ明星』は、ZINEの形をしたカフェ。「カフェをやりたい」と言い続けて約3年、当時会社員だった店主のあかるいさんが、「なぜカフェをやりたいのか?」「自分にとってカフェとは何か?」「働くって?よりよく生きるって?」について考えた一冊。実店舗を作る前に『概念だけ』オープンさせてファンを作るという企み。おもしろい。そして僕も架空のカフェ明星のファンの1人でした。そういうカフェがあるものだとすっかり思い込んで、いつか新潟に行ったら寄ってみたいと思っていたのだから。
なぜカフェをやりたいのか、そのきっかけとなるエピソードからはじまり、理想のカフェ像、カフェという存在を分解していった時に何に置き換えられるか、そもそもやりたいのはカフェなのか、など、あかるいさんのモチベーションが溢れて溢れて仕方がない感じ。例えるならばレイザーラモン RG の「あるある言いたい」に似てるなぁと思って終始ニヤニヤしながら一気に読み上げました。「カフェあるある早くいいたい〜」っていう RG に対してまわりの芸人がニヤニヤしながら幸せそうに「早く言えや〜」「なんやねん!」とじれったくするやつ。またやってるわと思いながらも誰も嫌じゃない。RG が幸せそうに楽しそうに言いたそうにするもんだからみんなも幸せになってしまうっていうあの魔法ですね。この ZINE には、あの魔法がかかってます。
(口にしなくとも)「あなたが大切」と伝え合う場所。カフェに対するこの些細な一言にものすごく共感。なかなかギャラリーの運営がうまくいかなくなって、悩んでいた時に、もうへたくそでもダサくてもなんでもいいから、「あなたが大切なんだ」と目の前の人に言っていこうと思って、そしたら楽になって、ゆるやかなひろがりを見せたように思います。今回の COLLECTIVE の、このレビューというスタイルは、「あなたが大切」と伝えたくて書いてると思う。
2020年5月に、沼垂の『なり』というゲストハウスのカフェとして、『カフェ明星』がオープン。ZINE の制作から1年とちょっと、報告を聞いた時に鳥肌が立ちました。
Instagram では、お店の様子がみれて、ZINE の後にインスタみると、グッとくるものがあります。
ちなみに『あかるい』さんは、去年おととしと参加してくれて、人気だったジンスタのかなたさんからの紹介。うれしい連鎖ですね。
「概念さえあれば、カフェはできる。」
かっこいい。
これから何かをはじめたい人、勇気がほしいひと、悩んでるひと、ぜひこの『カフェ明星』を。きっとあなたの行き先を明るく照らしてくれる星になると思います。
おあとがよろしいようで。
レビュー by 加藤 淳也(PARK GALLERY)
作家名:あかるい(新潟県新潟市沼垂)
「カフェ明星」の店主。
最初は架空のカフェとして、ZINE「カフェ明星」やラジオ配信のみしていましたが、ZINEがきっかけで、2020年5月から新潟市沼垂(ぬったり)ゲストハウス「なり」内にて、実際に同名のカフェ営業をスタート。
https://www.instagram.com/cafe_myojo
【 街の魅力 】
沼垂(ぬったり)は、沼垂テラス商店街なども近くにあり、小さくて魅力的な個人店が沢山ある街です。ゲストハウス「なり」にも県外や外国からも旅人が訪れ、柔軟で活気のあるカルチャーがある場所です。
【 街のオススメ 】
① ゲストハウス なり ... 何かを始めたい人、ヒントが欲しい人、面白い人が自然と集まる場所。新潟市の魅力的な場所の情報を知ることができる。そしてカフェ明星があります!
https://nuttari-nari.com
② BOOKS f3 ... 写真集やアートブック、ZINEを扱うお店。写真展も開催されます。
http://booksf3.com
【 同じ地域で活動するひと 】
INTI / ゲストハウスなりの店長を住み込みで務めながら、ゲストハウス内を工房としながらアクセサリーを制作するmiuさんのブランド。
身に付ける人の活動源となるようにという思いを込めたアクセサリー。
https://www.instagram.com/miu_inti/?hl=ja
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