#EP01 『MORE SLOW TEMPO』 by なかおみちお
2人展『MORE SLOW TEMPO』の開催前に、会場でもある PARK GALLERY から「影響を受けたものを紹介したい」と言われたので、今回はまずはこれについて触れてみる。
2008年のドキュメンタリームービー『BEAUTIFUL LOSERS』の存在というのは、とてもでかい。10代、20代前半に特に影響を受けたものは、その後に出会うどんなものにも勝てない強烈な存在だ。ぼくの場合はヒップホップが入り口で、スケートカルチャー、グラフィティーカルチャーにハマり、さらにその中から「こいつの絵はヤバい」とか友達と話したりしながら、自分の中の「うわ!」「すご!」「かっこよすぎ!」な感情がコトコト煮詰ってできた「ドロドロのニンニク卵黄」みたいなエキスが、未発達なぼくの脳みそにべったりとこびりついていった。
つまり、そんなぼくの頭をすっかりおかしくする「連中」が次々に現れては、自分の表現についてなどを訥々(とつとつ)と話す様子が字幕付きで観られるありがたいブツこそが『BEAUTIFUL LOSERS』なのだ!(爆発音)
登場人物はストリートカルチャーの中心人物が勢ぞろいなので、この映画が好きな人はかなり多い。今回一緒に展示するイラストレーターの ”はるやまさん” はこの話ができる仲なので、「あいつのあれがめっちゃいいよね」がスッと伝わることがありがたい。接しやすい。
とにかくこの映画に出てくる人たちのことを書き出すなんて、到底展示前にできることではない。
今回、各々で再度この映画を観直してみた。やっぱりかっこいいものを作りたいエネルギーが湧いてくる素晴らしい作品だと思う。
でも、頭がヤられてないやつには、ただの思い出話に見えるのかも。
そもそもストリートカルチャーの話というのは、沁みたやつ同士でしかできないのだ!なんつって⋯でも意外とそうなのだ。
ー なかおみちお
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