#02 「散歩がすきだ!(赤羽編)」 by 石橋瞭
散歩がすきだ。
「え、こんな店あったっけ?」
「あんなところに面白い木が立ってるじゃん。」
「この置物、前からあったかな。」
と言うように、散歩は車や自転車のスピードでは不可能であろう様々な発見がある。
今回は僕が以前住んでいた「赤羽」の散歩中に発見した、気になったお店や家を3つ紹介する。
赤羽は居酒屋だけではない。味のある家がたくさんあるのだ。
光が差し込むバーバー
このバーバー。とっても良い。
日差しの強いお昼時に通りかかったために、白く、強く、そして生き生きと光輝いていたことをハッキリと思い出せる。
光と影が似合う味わい深い外観である。
右手のヤシの木も素晴らしい。
まるで、長年バーバーと寄り添っているパートナーのようだ。
このヤシの木は切れちゃってるけど、実は冗談じゃなく5mくらいある。
一度見ると忘れられないインパクトがあるのだ。
バーバー自体の外観の美しさのベースにあるのは配色だ。
地には白の壁色。
緑がかったフレーム。
そして差し色としてスラリと入った赤のライン。
黄金比として完全に決まっている。
意図せずの美しさかもしれない。
でもだからこその魅力が詰まったバーバーだ。
ただ残念ながらここで髪を切ってもらったことはない。
(大人になってからは友達のお店でしか切ったことがない)
実際に行けば、外観だけでなく内的な発見もきっとたくさんあるのだろう。
木々と塀に囲まれた民家と倉庫
左手にあるのが民家で、右側に建っているのが倉庫なのかな?
なんともまあ派手な家である。
いや正確に言えば、家自体に派手さはないのだけど、装飾要素が多いんだよね。
だってもう家が埋まってるじゃん。
入り口がほとんど見えないからね。
そしてまさかの紫の塀。
なぜこの色を選んだのか。
「よし、この色にしよう!」と決め込んだ瞬間を想像すると実に面白い。
でも普通なら選ばないからこそ魅力的なんだけどね。
ちなみにこの画で一番好きなのは、斜めに倒れた「止まれ」の標識。
(画面左)
いつから休んでいるのか知らないが、もはや車を止める気がないよね。
何があったのか知らないが、そろそろ立ち直ってほしいものである。
あとカーブミラー。
君は完全に木に埋まっているからな。
生活の気配を感じさせない家
この家。
なんですかこれは。
一見すると、人の住む気配は感じられない。
というか、そもそも表札がない。
ただ、手前にはこの家の守り神のように佇む植物たち。
なんとも変わった、不思議な家である。
個人的に「家」というのは生活が見えてこそ、「家」の本質を成すと思うのだが、ここにはそれがないのだ。
昔は人が住んでいたが、古くなってしまったので引き払ってここは倉庫として扱っているのか、それとも夜にだけ姿を現す幽霊の家なのか。
ストーリーが色々と浮かんでくるよね。
(ここで普通に人が生活をしているならば、失礼極まりない。)
シンプルでありながら、見方によっては様々な想像が膨らむ家であり、あちこちに発想のトリガーが潜んでいる。
良いモノってそういうことなのかもね。
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現場からは以上です。
第一回目のオムライスから雰囲気が一転したかな。
どうなんだろう。
次回は多分だけど、とある人工物がテーマになりそうです。
お楽しみにー。
石橋瞭
北海道出身、埼玉県在住
日々やる気と格闘して、結局夜遅くになって
絵を描き始めるイラストレーター。
石橋瞭と検索したら、石橋凌が出てきてしまうのが悩み。
https://www.instagram.com/ryo__ishibashi
東京・末広町にある PARK GALLERY にて、
2022年3月2日(水)〜13日(日)の期間で個展開催が決定!
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