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satsukim 連載 『ひびときめき、きょうてりやき』 〈2〉
2021年5月のある暑い日。
快晴。初夏どころじゃなく、夏。
朝、7時半に起きる。
温かいお茶を淹れて、正座した状態で"おちょやん"の最終回を観る。
あー、泣いた泣いた、そして笑った。
ほんとうに素晴らしかったです。
おちょやんは、久しぶりにほぼ欠かさず、最初からぜんぶ観れている朝ドラ。主人公、千代の応援団になったような気持ちで、ずっと観ていた。そして、ほぼ毎日泣いていた。
しばらくロスです。
"生きるっちゅうのは、
ほんまにしんどうて、おもろいなあ"
(主人公、千代のセリフ)
少し前まで、朝ドラが終わるとちかくの学校からおそらく体育祭の練習であろう音楽と、子どもたちの声が聞こえてきていた。おそらく先週末に終わったのだろう、今はとっても静か。
わたしが通った小中高は秋に運動会だったので、すこし不思議なきもち。
春に運動会のあった子たちは、この時期になると運動会のことを思い出すのだろうか。
わたしは毎年秋の、少し乾燥した匂いがしてくると、運動会のことを思い出すような気がする。
夏みたいな日がつづきはじめたので、衣替えをした。ダンボール一箱ぶん。
衣替えながら、"衣替え"って季語になり得る気がするなぁって考えたりした。
今度の個展のステートメント(というほどのものでもないことば)にも加えたんだけれど、生活感があって季節感もあって、テレビやラジオのニュースから聞こえてくると少しうれしいきもちになるようなことばです。
きらきらとかがやいてみえる初夏にむけて
のんべんだらりと衣替えをした日、
森のみどりはいつになく濃く薫っていた
夏の匂いがする風が心地いいので、歯医者をお休みして作業部屋で黙々と絵を描いたりしていた。(ごめんなさい)
最近は作業中にラジオより音楽をかけることの方がおおく、もっぱら一曲目にはくるりのあたらしいアルバムを聴いている。
"天才の愛"という名前がまずとてもすき。
坂口恭平さんのアートワークもめちゃくちゃ似合っていて、曲を流しはじめると気持ちの良い風が吹く、気がする。
なかでも、"潮風のアリア"(MVもすんばらしい)を繰り返し繰り返し聴いている。
イントロからもう、ぐーっとくる。
この曲を森で流しながら歩くと、めちゃくちゃ良い気持ちになるので、おすすめです。MV みたいに、車を運転しながらも聴きたいようなかんじ。
くるりは10代の頃から聴いてるけれど、いい意味で変化して、でもたまにこうやってど真ん中に帰ってきてくれるかんじがする。
ずっと聴き続けていきたい音楽だなあ。
わたしもそういう作品が生み出せるようになりたいと思う。
たまに、どんな音楽がすき? と聞かれることがあるけれど、わたしは風通しのよい音楽がすきなんだと思う。
よかったら、聴いてみてください。
そういえば最近リサイクルショップで、使い古されたランプシェードを買った。
ほぼ一目惚れで、プチプチに包んでもらい担いで帰ってきた。
まず木の部分がたまらずかわいい。こういう造形がだいすき。きっと職人さんが大事にひとつひとつ作ったのだろうと、勝手に想像をしている。
次にシェード部分、布のはじの刺繍がたまらずかわいい。電気をつける時の、空気を含んだかちゃって音がなるところもすき。
いただいたものやレコードプレーヤーを置いている棚の上に、置いた。かわいい。
近くに1人がけのソファを置いて、最近は夜そこで本を読んだり、好きなテレビ番組を観たりして、のろのろしている。
きっと明日も、こうしているのだと思う。
<ランプシェードのスケッチ>
satsukim
イラストレーター
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6/3-15 吉祥寺 にじ画廊にて個展を開催予定
もうすぐウェブサイトも再開します
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