まあ、その、いろいろ #93 | 森は海の恋人(かとう)
現在開催中の PARK GALLERY 企画によるエキシビジョン『海と山と』展。いまこうしてすぐにパッと思い出せないけれど、おそらく3、4年は続けている恒例企画。
この企画の構想(というと大袈裟だけど)を思いついた時のことをなんとなく書いてみますが、当時は「海」と「山」というのは、対(つい)になるものというイメージがあったんですよね。例えば、山でケモノを撃つ猟師さんと、海で魚を獲る漁師さんがまったくちがう職業のように、頭の中では乖離していた。海には海のよさがあって、山には山のよさがあって、棲み分けがあるのかなとなんとなく思っていました。
そんな時にある一冊の本に出会います。
宮城県気仙沼市で牡蠣の養殖漁業家を営む畠山重篤さんという『森は海の恋人』という方が書かれた本でした。
この素敵なタイトルの本に書かれていたのは、畠山氏にとって命の源とも言える大切な漁場である『海』と、かつて畠山氏も遠いよその世界の話だと思っていた『森』との関係の話でした。
漁師たちが海からあがって潮のにおいをたちこめたまま山に入り、森に植樹する、その一連の物語を綴ったエッセイ。それを読んだぼくは、森と海の蜜月な関係に興奮したのでした。その本を読み終えた時に見えてきた景色が、「海と山と」という展示のイメージでした。
まあ、その、いろいろ。
泣いても笑っても10分。
PARK GALLERY
ディレクター加藤淳也
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