ワクワクとソワソワ #2 「イラストレーターへの憧れ」 ー 織田知里
小さい頃から絵を描くことは好きだった。
高校の時にデッサンを学べたこともすごく楽しかったし、家でもよく絵を描いていたが、絵を描くことを仕事にしようなんて思いは全くなかった。
まずは、ドラマに影響され本気で行政書士になろうと思いユーキャンの行政書士講座を申し込んだ。そこそこ高い金額だったが5〜6ページで諦めた。次は色んなアルバイトをした。スーパーのレジ打ちやブルーベリーの収穫。パソコン教室なんかにも通ったり、テレビが好きだったのでバラエティ番組のアシスタントディレクターの仕事をしたり …。とにかく直感的に行動する事が多く、長続きしないことも度々あった。
しかしいろんなことを経験していく中で、自分の向き不向きや、好き嫌いなどがはっきり見えてくるようになり、今やりたいことって何だろう?と考えていた時、自然と「絵を描きたい、絵を習いたい」という気持ちが湧き上がってきた。自分の中でやりたいことが決まれば、あとは学校をリサーチして申し込むだけ。『illustration』という雑誌で東京の築地にあるパレットクラブという学校を知り、授業料も払える額だったのでここだ!と思い、迷いなく申し込んだ。
パレットクラブでの授業は全てが新鮮で勉強になることがたくさんあった。
イラストレーターや、デザイナー、アートディレクター、絵本作家など、実際に活躍されている方が講師となり自分の描いた絵を講評してくれる時間は、まさに「ワクワク」と「ソワソワ」が半端なく、その空間はちょっとした中毒性があった。それと同時に、やはり現役で活躍されている講師陣がカッコ良く見えて、心底憧れた。講師の方の何気ない一言で、自分の描く絵がどんどん変わっていくことも楽しく、絵を描く時間も増えていき、気づくと頭の中はイラストレーションでいっぱいだった。
「絵を描きたい、習いたい」という思いから通い始めたパレットクラブ。
そこでの授業や出会いの中で「イラストレーターになりたい」という思いに変化し、今もこうして個展に向けて絵を描き続けていることは、ユーキャンを5〜6ページで諦めた私にとってかなり凄いことだと思う。
そして今も、絵を描く上でパレットクラブでの出来事や出会いは自分にとって大きな支えとなっている。
織田知里