見出し画像

なかおみちお連載コラム DO NOT DISTURB #04 『仕事のはなし』

少し間が空いてしまいましたが、ぼくの個展 “DO NOT DISTURB” にお越しいただいたみなさま、オンラインでグッズを買っていただいたみなさま、本当にありがとうございました。

今回のために描いた新作が中心の展示でしたが、会場内では、仕事で描いたラフのコラージュや、関わらせてもらった雑誌なども紹介しました。

その中に(今月もコンビニや書店に並んでおりますが)女性ファッション雑誌の『VERY』も置いていたのですが、イラストを担当している、『武田砂鉄のVERYな言葉狩り』というコラムの事についてよく質問を受けたので、今回はそれについて書いてみようと思います。

-----

最近特に、ラジオや、その他メディアでも有名なライターの武田砂鉄さんですが、最初に関わったお仕事は、カルチャーサイトの CINRA.NET でした。2008年頃から砂鉄さんが『フジワラノリ化論』というコラムを連載されており、最初はイラストレーターでデザイナーの友人がイラストを担当していたのですが、スケジュールの関係で2009年の9月からぼくが引き継ぐ事になりました。当時 CINRA.NET の編集部にいた友人が担当で、武田さんとの連載をうまく繋いでもらい、そこからずっとお世話になる事に。

画像2

『フジワラノリ化論』は、必要以上に見かける気がする芸能人について、なぜ必要以上に見かけるのか、その要因を探りにかかる論考という内容のコラムで、毎回、ターゲットの芸能人のを描いていました。初めてのウェブのイラストということで、当時描いてきたタッチとは違った新たな雰囲気で、芸能人の似顔絵などに挑みました。

2011年の11月に1度そのコラムは終了し、おそらく翌年の2012年に同じく CINRA.NET で砂鉄さんの『コンプレックス文化論』が始まり、再びイラストを担当させていただくことになりました。

画像3

『コンプレックス文化論』は、ミュージシャン、芸能人、小説家、芸術家、デザイナー、建築家……など、カルチャーを生み出してきた当人が、なぜその表現活動を始めたのか。「モテるため」と笑うかもしれないし、「それしかできることがなかった」と気取るかもしれない。そんな返答は何だか信じられない。表現活動を行うことになった本当の理由……その中には自分自身の『コンプレックス』が潜んでいるのではないか。というもの。

『コンプレックス』が題材なので、武田さんの文章を盾に(冗談です)悪ノリのイラストが描けて楽しかったです。そもそもこういうテーマが性に合っているなあと思えました。このコラムが終了後、文藝春秋の方で本になり、装丁にもイラストを使っていただきました。Amazon などで今も購入可です!ぜひ!

その縁もあり、その頃から今も武田さんの Twitter のアイコンはぼくのイラスト。

今までは、お仕事を介してのやり取りのみでしたが、その後、ようやく CINRA で働く友人のおかげで一緒に食事会を。ぼくとそこまで歳も変わらないのに、堂々と落ち着いた方で、気の小さいぼくとは違うなあというのが第一印象でした。まさに TBS ラジオなんかで拝聴していたあの砂鉄さんでした。

『VERY』で連載されていたコラムが、2018年に写真からイラストになるタイミングで、砂鉄さんから直々にぼくに連絡があり、『武田砂鉄のVERYな言葉狩り』に起用していただくことに。思いもよらず、女性ファッション雑誌でイラストを描かせてもらう機会をいただけたのと、また武田さんと組めるのが嬉しかったです。

内容は、『VERY』の誌面から、武田さんの気になるワードをピックアップし、掘り下げるというもの。毎月そのワードがチョイスされた意図や雰囲気からイラストを描いています。

画像4

全体として共通するのは、ヘヴィメタルやラジオを聴いて、女子にモテてる同級生に負けじと育った(ぼくもほぼ一緒でした)砂鉄さんの、心に刺さる、かつ笑える形の、アイロニーのあるイラストを心掛けて描いています。

最初に CINRA.NET で砂鉄さんのコラムにイラストを描いてから10年くらい経っていますが、今でもこのようにつなががっていることには、縁を感じています。

画像5

引き続き『VERY』をチェックしてもらえるとうれしいです。みなさんよろしくお願いします。

-----

これまでの連載コラムを読むなら こちら 👈をクリック


画像1

なかおみちお
1982年鳥取生まれ・東京在住 イラストレーター。
間の抜けたPOPな表現でイラストを中心に活動中現在、VERY(光文社)にて『武田砂鉄のVERYな言葉狩り』でイラスト連載中。NERD SKATES、NERD SPORTS 名義でオリジナルもグッズも制作している。2014年から4年にわたり毎年開催された ARGUMENT GALLERY でのグループ展『New gig』を主催。
https://nakaomichio.com
https://www.instagram.com/nakaomichio_illustration



いいなと思ったら応援しよう!

縁側 by PARK GALLERY|オンラインマガジン
🙋‍♂️ 記事がおもしろかったらぜひサポート機能を。お気に入りの雑誌や漫画を買う感覚で、100円から作者へ寄付することができます 💁‍♀️