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妄想絵日記の木川田みりです #07 | 6/19(木) のこと

昔から「何かに気づく」感覚が発達していた。

言葉の端に含まれた不穏のニュアンスや、怒りによって小鼻がほんのりと膨らんだ気配、眉間の溝がピクピクと 0.1mm 単位で動いたアハ体験。

だが私の身体は、この繊細な感覚を活かそうとは思わなかった。

ボールが飛んできたら、ただ硬直してその場に佇み、相手が何かの拍子に眉間をピクピクと動かし始めたら、ポップコーンを片手にその眉間の世界に見入った。

今、私のこの「触覚」は絶えず進化している。そして、同じように触覚が伸びた人を見つけると、触覚同士で目配せをし、なんとなく頷き合い、そして片目でウインクをして通り過ぎる。

ー 木川田みり


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木川田みり(きかわだみり)
1996年生まれ。東京都在住。作家、イラストレーター、UIUX デザイナーとして活動中。2022年に初の個展『熱いお湯で洗濯したら縮んじゃった』を開催。近年は、触れ合った言葉から妄想を繰り広げた「妄想絵日記」を日々手にする「レシート」の裏に描き、instagram や X にて毎日更新している。
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