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EVERYTHING FLOWS #06 by illustrator はるやまひろし

絵を描くことを音楽で言う『レコーディング』と称するイラストレーター・はるやまひろしによる、日々のドローイングイラストの記録(REC)を毎週紹介していきます。ライブハウスに貼りだされているチラシのようなイメージで、音楽やバンド、あらゆるサウンドからインスパイアされた、妄想爆発のアートワークが日々描かれていきます。テキストと合わせてお楽しみください。


2021.05.25(TUE)
ARTIST:SUFIJAN STEVENS
ALBUM:THE AGE OF ADZ

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スフィアン・スティーブンス
アメリカ合衆国ミシガン州出身のシンガーソングライター。

本アルバムが発売されたときにスフィアン・スティーブンスに出会った。

きれいな曲調の音楽や繊細な歌、賛美歌コーラスとして流れ … と思ったら、対比として歪んだ電子音と加工された変声がコラージュとしてぶち込まれている … と見せかけて、きっと緻密(ちみつ)に組み上げられている …

とても妙で面白いアルバム。

スフィアン・スティーブンスという人も音楽から判断するに一筋縄じゃいかない魅力的なアーティストという印象だった。一筋縄じゃいかないどころか、危うさを持ち合わせていることを気づくまでに時間は要さなかったな。


CD 買って日もたたない内に、聴こえてきた一節。


「 … SUFIJAN ~♪ なんたらかんたら SUFIJAN ~♪… 」


… ん、自分の名前呼んでる? …


歌詞カードに目を通すと、

スフィアン、その小道を進め
差し迫った死についての記事にたどりつくだろう
スフィアン、お前の心に従え
炎に従え、あるいは床に転がり落ちろ
スフィアン、頭の中パニック
見過ごすことの出来ない殺人鬼の幻
ヴェスヴィオス、炎の炎
ぼくに襲いかかれ …
(8.VESVIUS から抜粋 / CD 付属の訳より)


うわっー。呼んでる!やばっ。

こんな調子の歌詞がアルバムの大半を占めていて、圧巻25分(!)の曲でフィナーレを迎える。うわっ。自問自答みたいの?なんだ執拗に。

でもその時、胃から掴まれるような詩を欲していたんだよね。

音楽いいじゃん。このアルバムめっちゃいいじゃん。詩も最高。どっかユーモラスだよね。ある意味では。

『シリアス』で『ユーモラス』。
アメリカ大陸には、社会や自分の歪みや暗部を包み隠さず描き、自分すら突き放したり、さらけ出したりしながらも自己陶酔とは少し違う、届きやすい形で、アートや文学として届けてくれる作家が文学・アート・映画・音楽それぞれのジャンルで何人かいる。スフィアンにはシリアスなイメージも強いけど、彼もその1人だと私は思う。

なんとなく、日本でそういう表現をしてる人って、いわゆるカルチャーの人達よりお笑い芸人に多い気がする。

けど、彼ら彼女らの目的も生きざまも『笑い』だと思うから、ここは笑いのためによく考えないのがいいね。



お知らせ
はるやまひろしさんがオリジナルコーヒーのパッケージを手がけている山形県にある人気のイタリアンレストラン『gura』にて、個展『あおときいろはならんでおどる』の原画作品が、一部巡回されます。6月から8月まで、レストランの壁に飾られますので、お近くにお住まいの方は、ぜひこの機会においしいイタリアンを味わいながら、はるやまさんの作品を生でお楽しみください。詳細は追って、告知させていただきます。ぜひ、チェックを !!
はるやまひろし
静岡県生まれ、千葉県育ち。
好きな音楽のアートワークとTシャツに憧れてイラストレーターの活動をはじめる。シンガーソングライター気分で絵を日々レコーディング中。
https://www.instagram.com/hiroshi_haruyama

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