EVERYTHING FLOWS #74 by illustrator はるやまひろし
—— 脳内スタジオとでも言いたくなるような自在感に興味をひかれる。
--------------------------
2022.10.14(FRI)
ARTIST:TAME IMPALA
ALBUM:INNER SPEAKER
TAME IMPALA(テーム・インパラ)はオーストラリアのミュージシャン、ケヴィン・パーカーのソロプロジェクト。デビューアルバムのタイトルは『INNERSPEAKER』。音楽を追っていると、なるほど言いえて妙だなと思う。
TAME IMPALA はメンバーはいるけれど集まるのはライブ時が主で、レコーディングはケヴィン・パーカーが歌い、全ての楽器を演奏し組み立てる。今時それ自体が珍しすぎるわけではないけど、ケヴィン・パーカーの場合、自由自在感が面白い。
『INNER SPEAKER』ではループするようなドラムや繰り返されるギターリフ。ボーカルも楽曲に最適化されるように歌っているように聞こえる。ラフなガレージロックのようでいて、実際は精緻に組み上げられたサウンドはシェイプが整えられていてクール。
🎧 Desire Be Desire Go
色んな音楽を頭の中で溶け合わせているようでもある。コラージュ感覚やミクスチャー感覚ではないんだよね。うまい具合に溶け合わされているから継ぎ接ぎが見当たらない。音の強弱、テンポの緩急も自由自在だ。
最初のはスタイリッシュなロックバンドだなと思ってこのアルバムを聴き始めたんだけど、ケヴィン・パーカーの脳内スタジオとでも言いたくなるような自在感に興味をひかれる。
このデビューアルバム以降、TAME IMPALA はびっくり大胆に変化していくけど、頭の中の『INNER SPEAKER』から音が響いているのは変わらずという気がする。
🎧 Feels Like We Only Go Backwards
🎧 Let It Happen
*
\ 『EVERYTHING FLOWS』のTシャツがつくれます /