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猫背で小声 | 第16話 | 俺は東京温室育ち
桜が好きだ。
咲いても華、散っても華。
しかし、咲いて散りゆくだけでワーワーと騒ぐ日本人は滑稽である。桜は人間の姿を見てきっと笑っているだろう。
「1年後にはまた咲きますよ〜」と。
人間が軽くあしらわれている感じさえする。人気者にとって鮮度は大切だが、毎年、老いることなく鮮度バツグンな『モテ植物』としての桜さんの立ち位置に嫉妬してしまう春の訪れです。
まるでサクラのように人生の大半を『傍観者』として過ごしてきたぼくは、桜にさえ嫉妬してしまう厄介な人間になってしまったのです。
『華と陰』
ああ、人気者になりたいな。
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さて、前回、尊敬する『サイトウさん』のもとで年末のアルバイトをしたという話をしたと思いますが、
無事、10月から12月末までの勤務期間を満了しました。
こんなに楽しくて尊敬できる人がいる職場ははじめてだったので、バイト期間が終了してからもサイトウさんへの興味が消えずにいました。サイトウさんとの年賀状業務は、あくまで<期間限定のバイト>ではありましたが、もう一度、またサイトウさんと一緒に働きたいという気持ちが心地よく湧いていました。
『働く』ということにこんなに前向きな気持ちになれたのははじめてでした。
だから、曲がった考え方ではありますが、サイトウさんと年末のバイトがしたいがために、就職をせず、単発のバイトを繰り返し、年末に訪れるサイトウさんとの業務に備えました。
それほどサイトウさんが好きだったんです。
よく「ひととの出逢いでひとは変わる」と言いますが、まさしく「これじゃん。」と感じた日々でした。
今までぼくが出逢ったひとは数にすれば少ないですが、人生をグチャグチャにするような出来事があった時も、『いいひと』との出逢いで救われてきたと思います。
『中学の担任』『大検予備校のみんな』『サイトウさん』
と、節目節目で、いいひとに巡り合えています。
よく「ピンチになると手を差し出してくれるひとが現れる」と言いますが、まさにこのひとたちなんだと思います。いいひとに出逢う確率が高いんじゃないかと自己肯定さえできます。
ぼくは普段から「ひとに裏切られるんじゃないか」とか、「ひとに対して嫌なことをしてしまったんじゃないか」と、ひとの顔を疑うクセはありますが、このひとたちとの出逢いは幸せだったし、素に近い自分を出せていたように思います。
今まで『恐怖心』しかなかった『仕事』という宿題も、サイトウさんのおかげで楽しくできましたし、「みんなで協力して解いていこうぜー! 」というサイトウさんが作るあたたかい環境が大好きでした。
そんな恵まれすぎた環境で働かせていただきながら、
2年目のバイトを終えました。
サイトウさん、ありがとう。
スペシャルサンクス、阿佐ヶ谷のサイトウさん。
元旦生まれの、サイトウさん。
近藤 学 | MANABU KONDO
1980年生まれ。会社員。
キャッチコピーコンペ「宣伝会議賞」2次審査通過者。
オトナシクモノシズカ だが頭の中で考えていることは雄弁である。
雄弁、多弁、早弁、こんな人になりたい。
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